このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。
「流れるように生きる」という言葉の裏には、流されることの苦しさがある。
東山彰良『流』は、1970年代台湾を舞台に、1人の高校生が祖父の死をきっかけに“過去”と“自分”を見つめていく物語です。
直木賞を受賞した本作は、青春、暴力、歴史、家族——そのすべてが渦巻く「濃密な人生の一幕」。
書籍の基本情報
- 著者:東山彰良
- 出版社:講談社
- 出版年:2017年
- ページ数:512ページ
- 映像化:なし
- 受賞歴:直木賞受賞
あらすじ(ネタバレなし)
1970年代の台湾。
高校生の葉秋生(イエ・チウシェン)は、家族と平穏に暮らしていた。
しかし、祖父が何者かに殺されたことをきっかけに、秋生は“自分のルーツ”と“祖父の過去”を辿る旅に出る。
政治、暴力、家族、そして恋。
混乱と不安の時代に生きる少年が、人生の真実と向き合うまでの成長物語です。
読書初心者にもおすすめの理由
- セリフが多く、リズムよく読める
- 主人公が高校生なので感情移入しやすい
- 社会背景が知らなくても物語に引き込まれる
感想:読むほどに、心がざわめく
『流』は、単なる青春小説でも、ミステリーでもありません。
むしろジャンルを超えた、壮大な「人生のうねり」を描いた物語でした。
若さ特有の勢いと愚かさ。
暴力と愛情が交錯する複雑な社会。
自分が何者なのかを模索しながら、過去と未来の間で揺れる秋生の姿は、どこか普遍的で、胸に迫ります。
物語のスケールは大きくても、主人公の視点はあくまで等身大。
だからこそ、秋生の怒りや迷いが、ぐっと心に刺さるのです。
テーマは重厚感があるけれども、台湾のエネルギー、主人公の有り余る熱量や行動力で、疾走感のある作品です。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「GO」金城一紀
同じく直木賞受賞作。窪塚洋介、柴咲コウ出演で話題になった映画の原作本。読むときっと自分のことを認めたくなる!
まとめ
東山彰良さんの筆致は、ユーモアと暴力、政治と人情を自然に同居させてしまう不思議な魅力があります。
『流』は、「大人になるとはどういうことか」を静かに、でも確実に問いかけてくる一冊でした。
気になる方はこちら
実はこの「流」はAudibleで耳読書できちゃいます。
壮大な物語をぜひプロのナレーションで。胸への迫り具合が半端じゃない。。。
コメント