心が動いた本

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乃南アサ『いつか陽のあたる場所で』感想文|人気シリーズ第1弾-罪と再生を描く下町人情ドラマ【Audibleあり】

罪を犯した過去を抱えながらも、もう一度人生をやり直そうとする二人の女性。 乃南アサ『いつか陽のあたる場所で』は、刑務所で出会った元受刑者たちが東京・谷中の下町で支え合いながら生きていく姿を描いた人間ドラマです。過去の影に怯えながらも、少しず...
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有川浩『ラブコメ今昔』感想文|制服×自衛隊の恋模様に笑って泣ける短編集

「ラブコメ」と聞いて甘いだけの物語を想像したら、いい意味で裏切られる。 有川浩『ラブコメ今昔』は、自衛隊を舞台にした“制服ラブコメ”をテーマに、恋と仕事の狭間で揺れる男女の姿を描いた短編集。 笑えて、泣けて、ちょっと照れる。そんな“有川節”...
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辻村深月『ツナグ』感想文|死者との再会が描く心揺さぶる連作長編小説

「もし一度だけ、亡くなった人に会えるとしたら――」 辻村深月の『ツナグ』は、死者と生者をつなぐ“使者”の存在を軸に、さまざまな人々の再会と心の葛藤を描いた連作長編小説です。 人生の後悔、愛情、赦し――一夜限りの邂逅が、読者の心に静かに染み渡...
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知念実希人『祈りのカルテ 再会のセラピー』感想文|医療と人間ドラマが交差する優しい連作ミステリー【Audibleあり】

「医師は、患者の“心”も診るべきなのか」―― 知念実希人『祈りのカルテ 再会のセラピー』は、研修医・諏訪野良太がさまざまな診療科で出会う患者たちの“謎”と“人生”に向き合う連作ミステリー。 医療現場のリアルな葛藤と、患者の背景にある物語が交...
ミステリー

伊坂幸太郎『重力ピエロ』感想文|家族と正義を描く静かな衝撃のミステリー

「春が二階から落ちてきた」――そんな印象的な書き出しから始まる『重力ピエロ』は、ミステリーでありながら、家族の絆と人間の本質に深く切り込む物語。 放火事件の謎を追う兄弟の姿を通して、読者は“正義とは何か”“血縁とは何か”という問いに向き合う...
仕事×本

秦建日子『サマーレスキュー』感想文|標高2500メートルの山岳診療所で描かれる命と医師の成長物語

標高2,500メートルの山岳診療所――そこは、医療設備も通信手段も限られた“命の最前線”。『サマーレスキュー ~天空の診療所~』は、実在する山岳診療所をモデルに、医師たちの葛藤と成長を描いた感動の医療小説です。 ドラマ化もされた本作は、フィ...
心が動いた本

有川浩『三匹のおっさん ふたたび』感想文|痛快で優しい正義の続編ミステリー|人気シリーズ第2弾

還暦を迎えた幼なじみ3人組が、町のトラブルに立ち向かう――。 『三匹のおっさん ふたたび』は、前作の爽快さそのままに、さらに人間味と社会性が増した続編。 笑って泣けて、ちょっと考えさせられる。そんな“おっさんヒーロー”たちの物語が、再び帰っ...
ミステリー

冲方丁「十二人の死にたい子どもたち」感想文|命と向き合う心理ミステリーの傑作

「死にたい」と願う十二人の少年少女が、廃病院に集まった――。 冲方丁が初めて挑んだ現代長編ミステリー『十二人の死にたい子どもたち』は、衝撃的なテーマながらも、繊細な心理描写と緻密な構成で読者を引き込む一冊です。 “死”を語ることで“生”を見...
エッセイ

浜辺祐一『救命センター「カルテの真実」』感想文|命の現場から見える医療の葛藤

救急医療の最前線には、命を救うだけでは語り尽くせない現実がある。 『救命センター「カルテの真実」』は、東京下町の救命救急センターに勤務する現役医師・浜辺祐一が、日々の診療を通して見えてきた医療の矛盾や人間のドラマを綴ったエッセイ集。 軽快な...
心が動いた本

朝井リョウ『世にも奇妙な君物語』感想文|現代社会の皮肉と共感が刺さる5編の短編集

「世にも奇妙な物語」風の世界観を小説で味わえる、朝井リョウの短編集『世にも奇妙な君物語』。現代社会の歪みや人間の本質を、ユーモアと皮肉を交えて描いた5編は、どれも“奇妙”でありながら妙にリアル。中でも「リア充裁判」は、SNS時代の生きづらさ...