原田マハ『キネマの神様』感想|映画館で心を洗われるような感動がここにある【読書初心者にもおすすめ】

心が動いた本

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「人生にも再上映があったなら」――
そんな言葉が、胸に静かに響いてくる小説でした。

原田マハさんの『キネマの神様』は、映画を愛し、家族を失いかけたひとりの父と娘の物語。
破れかけた人生に、映画という“灯り”がもう一度希望を灯してくれるような、優しくて切なくて、あたたかい一冊です。

映画好きの方にはもちろん、最近映画館に行っていないな…という方にもぜひ読んでほしい。
読後には、スクリーンの前に座って、自分の人生をもう一度見つめたくなるような感覚が待っています。

書籍の基本情報

  • 著者:原田マハ
  • 出版社:文春文庫
  • 出版年:2011年
  • ページ数:331ページ
  • 映像化:映画化(2021年)

こんな人におすすめ

  • 家族とのすれ違いや和解に心を動かされる人
  • 読書初心者でも感情移入しやすい本を探している人
  • 忙しい日常の中で、静かに心が温まる物語を求めている人

あらすじ(ネタバレなし)

ギャンブルに溺れ、借金まみれになってしまった父・ゴウ。失意の中にある彼の前に現れたのは、古き良き映画館「テアトル銀幕」と、映画評論ブログ「キネマの神様」だった。
娘・歩は父との関係に複雑な思いを抱きながらも、映画を通じて少しずつ変化していく父を見守っていく。

過去と現在が交錯し、映画のように人生も“再上映”できることを教えてくれる――。
原田マハが描く、家族、夢、再生の物語。

読書初心者にもおすすめの理由

  • 優しい文体で読みやすい
    • 原田マハさん特有のやわらかく温かな語り口で、難しい言葉や構成がなく、スラスラ読めます。
  • 映画という共通テーマが親しみやすい
    • ストーリー全体が映画を軸に進むため、映画好きはもちろん、映画に詳しくなくても共感しやすい内容です。
  • 1章ごとに気持ちよく区切れてテンポが良い
    • 短編のような構成で、空き時間に少しずつ読み進められるため、読書の習慣がない人にもぴったりです。

感想:映画を愛したすべての人に、そっと寄り添う物語

『キネマの神様』は、映画と人をめぐる“人生の再生”の物語です。主人公はギャンブル好きで借金まみれのダメ親父・ゴウ。そしてその父を心配しながらも、どこか憎みきれない娘の歩。
映画評論ブログ「キネマの神様」をきっかけに、彼らの人生は少しずつ変わっていきます。

過去と現在、夢と現実。
老いてなお“夢”に生きようとする父親の姿には、どこか懐かしさと温かさがあって、「人生は何歳からでも変えられる」と教えてくれるようです。

原田マハさんならではの優しい文章と、映画愛にあふれた描写。
映画館の匂いや、昭和の空気感すら漂ってくるような、情感たっぷりの小説でした。

”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ

  • 『本日は、お日柄もよく』原田マハ

原田マハさんの優しい文体を気に入ってもらえたら、同じくファンの多いこちらの本も読んでみてほしいです。言葉の大切さもかみしめられるし、一歩踏み出す勇気もくれる素敵な一冊です。

まとめ

『キネマの神様』は、夢に破れた人、家族とぶつかってしまった人、もう遅いとあきらめている人にこそ読んでほしい物語です。
映画のように、人生にも“再上映”があるのだと、静かに語りかけてくれます。

読書に不慣れな方でも安心して読める文章と、懐かしさあふれる世界観。
読み終えたあと、ふと「映画を観に行きたくなる」そんな1冊でした。

ファンも多いこの作品、一度手に取ってみてください。

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