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小説家はどうやって仕事を受けて、どう考えて、作品が出来上がっていくんだろう?
そう思ったことはないですか?
なかなか、その作品過程を知ることはできませんが、朝井リョウさんの「発注いただきました!」では普段明かされることのない原稿依頼内容と、書き終えたときの著者自身の解説が載っているという不思議で、かつ、読書好きにとっては垂涎ものの本となっています。
こんな人におすすめ
- 活字が苦手だけど、何か読みやすいものから始めたい
- 仕事にモヤモヤしていて気分転換したい
- クスっと笑える”人間味ある本”を探している
気になる内容は?
作家・朝井リョウさんが「雑誌や企業から依頼された文章=発注」をまとめたエッセイ集。
でも単なる仕事記録ではなく朝井さんの”仕事との向き合い方”や”自分の価値観”がにじみ出る、ユーモアとリアルの絶妙なバランスが光る一冊です。
特に心に残ったのはこのあたり:
- どんな依頼も、面倒がらず”真剣に楽しむ”姿勢(バラエティに富んだ発注内容も面白い)
- テーマによって全然違う語り口が使い分けられていて、飽きずに読める
①「発注元起業名」、「お題」、「使用媒体」、「テーマ」、「文字数指定」などの発注内容
②その結果のタイトルと小説
③朝井リョウさん自身の感想
という流れで20篇が掲載されています
例えば、
「発注元:森永製菓」、「お題:キャラメルが登場する掌編 全三話」、「使用媒体:森永ミルクキャラメルパッケージ」
【発注内容】
- 人間を主人公とした、キャラメルが登場する小説
- 「森永ミルクキャラメル」のイメージである「懐かしい」「親しみがある」「ほっと一息できる」「幸せな気分になる」といった世界観を主軸として、読後に「いいよね、キャラメル」と思えるような心温まるストーリー
- 文字数は、247文字×三話分。三箱揃えれば一つの物語が楽しめるという仕組み
出来上がった小説のタイトルは「タイムリミット」
さて、どんな内容でしょうか?
読書初心者におすすめの理由
- 1話完結の短編形式で気軽に読める
- 著名企業からの発注からどんな作品ができるのか?がとにかく面白い
- 笑えて、でもちょっと考えさせられる絶妙な温度感
感想
やっぱりプロはすごいな、と素直に思える。
発注内容に対して「そう来たか!」とうなりまくった。
その中でもJTが発注した『たばこが作中に登場する、「人生の相棒」をテーマにした小説 全四話』が気に入った。
何を「人生の相棒」にしたのかは、読んでからのお楽しみ。
発注内容で読後感を「●●と思える」など入っていなかった場合、朝井リョウさんワールドになるのも面白い。
朝井リョウさんは人間をきれいごとにしないので、普段見ないようにしているダークな部分をえぐって、表に出してくる。
かと思えば、爽やかに心ほっこりの作品もあるので、まさに多才。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 朝井リョウ「チア男子」
“こんな人が書く小説ってどんななんだろう?”と思ったあなたに―― フィクションの世界でも“リアルな人間模様”が光る『チア男子!!』。ぶつかりながらも前を向く、熱くて不器用な青春がここにあります。
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