木皿泉『昨夜のカレー、明日のパン』感想文|喪失と日常を優しく描く温もりの物語

心が動いた本

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愛する人を失っても、日常は続いていく――。
木皿泉の『昨夜のカレー、明日のパン』は、夫を病で亡くした一人の女性と、彼女の義父、そして周囲の人々が織りなす、静かであたたかな物語です。
「死」という喪失の中にも、ユーモアややさしさがあり、じんわりと心を温めてくれます。

書籍の基本情報

  • 著者:木皿泉
  • 出版社:河出書房新社
  • 出版年:2013年
  • ページ数:237ページ
  • 映像化:ドラマ化(2014年)

こんな人におすすめ

  • 家族や人間関係のあたたかさを感じたい方
  • ゆっくり心に染み入る物語を探している方
  • 重すぎないけれど、深いテーマに触れたい方

あらすじ(ネタバレなし)

主人公テツコは、夫・一樹を若くして病気で亡くします。
彼と暮らした家には、義父・ギフと二人で住み続けることに。
テツコは仕事や友人との日々を過ごしながら、ふとした瞬間に夫との記憶が蘇り、笑ったり泣いたりします。
物語は、一樹の死から7年後までの出来事を、ゆったりとしたエピソードで綴りながら、時間が人の心をどう癒すのかを描いています。

「昨夜のカレー、明日のパン」が読みやすい理由

  • 短いエピソード構成なので少しずつ読み進めやすい
  • 会話や描写が自然で、情景が頭に浮かびやすい
  • 重いテーマながら、ユーモアや優しさが随所にあり、心が疲れない

感想

この本の魅力は「悲しみと日常が同居している」こと。
テツコとギフのやりとりは、ときに笑いを誘い、ときに胸を締めつけます。
喪失感は決して消えないけれど、それを抱えながら生きていく姿は、とても人間らしく、美しい。
何度も「こうやって人は前に進むんだな」と感じさせられました。

”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ

  • 『キッチン』よしもとばなな

大切な人を失っても、日々は続いていく。優しい人に囲まれて少しずつ日々を取り戻す物語。

→「キッチン」の感想記事ページはこちら

まとめ

『昨夜のカレー、明日のパン』は、大切な人を失ったことがある人も、そうでない人も、心を揺さぶられる一冊です。
静かで温かい時間を過ごしたい夜にぴったり。
ぜひ、あなたの生活の中にこの物語を迎えてみてください。

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