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「定年退職したら、人生は“余白”になるのか?」
重松清『定年ゴジラ』は、都心から離れたニュータウンを舞台に、定年を迎えた男性たちの孤独と再生を描いた人情味あふれる長編小説です。
大きな事件は起きないけれど、日常の中にある“静かなドラマ”が、じわじわと心に染みてくる。
定年後の人生に不安や期待を抱くすべての人に、そっと寄り添ってくれる一冊です。
書籍の基本情報
- 著者:重松清
- 出版社:講談社
- 出版年:2001年
- ページ数:366ページ
- 映像化:ドラマ化(2001年)
こんな人におすすめ
- 定年後の生き方や家族との関係に悩んでいる人
- 静かな日常の中にある人間ドラマを味わいたい人
- 重松清作品の温かくて切ない世界観が好きな人
あらすじ(ネタバレなし)
主人公・山崎は、銀行員として働き続けた末に定年を迎え、都心から遠く離れたニュータウン「くぬぎ台」で静かな生活を始める。
娘たちは独立し、妻との関係もどこかぎこちない。
同じように定年を迎えた近所の仲間たちと“お付き合い散歩”をしながら、山崎は自分の過去と向き合い、家族や社会との距離を少しずつ見つめ直していく。
季節の移ろいとともに描かれる1年間の物語は、ささやかながらも深い余韻を残す。
「定年ゴジラ」が読みやすい理由
- 大きな事件がないぶん、日常描写に集中できる
- 会話や心情描写が丁寧で、登場人物に共感しやすい
- 章ごとに区切られていて、少しずつ読み進めやすい
感想
『定年ゴジラ』は、定年後の“空白”をどう埋めるかという問いに、静かに答えようとする物語です。 この作品を読んで、自分の定年後はどうしようと真剣に悩み始めました。
山崎の姿は、どこか不器用で、でも誠実で、読んでいるうちに「この人の人生を見届けたい」と思わせてくれます。
ニュータウンという舞台も、かつての夢と今の現実が交差する場所として象徴的。
重松清らしい、ユーモアと哀愁が混ざり合った語り口が、読者の心にじんわりと染みてきます。
「家族のために働いてきたはずなのに、今の自分はどこにいるのか」――
そんな問いを抱える人にこそ読んでほしい、静かな名作です。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「流星ワゴン」重松清
人生に疲れたときに自分と同い年の父と出会った。同い年の父と出会うというファンタジーではあるけれども、リアリティを持って、人生や親子について考えさせてくれる温かい物語。
まとめ
『定年ゴジラ』は、定年後の人生に不安や空虚を感じる人に、そっと寄り添ってくれる一冊。
大きな事件は起きないけれど、日常の中にある“心の揺れ”が丁寧に描かれていて、読後には温かい余韻が残ります。
家族との関係、地域とのつながり、自分自身との対話――人生の後半に向き合うすべての人におすすめです。
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