映画原作

映像化原作

誉田哲也『武士道シックスティーン』感想文|剣道女子の青春と成長を描く傑作小説

剣道にすべてを捧げるエリート女子と、楽しさを求めて剣道に向き合う初心者女子。 誉田哲也『武士道シックスティーン』は、そんな対照的な二人の高校生活を通して、勝負・友情・成長を描いた青春小説です。 剣道という武道を軸にしながらも、心の揺れや人間...
Audibleで読める本

宮部みゆき『火車』感想文|消費社会の闇を描く衝撃の社会派ミステリー【Audibleあり】

「火車」とは、罪人を乗せて地獄へ運ぶという伝承の乗り物。 宮部みゆきの『火車』は、そんなタイトルにふさわしく、現代社会の“見えない地獄”を描いた社会派ミステリーです。 クレジットカード、ローン、個人情報――便利さの裏に潜む罠に巻き込まれた人...
心が動いた本

辻村深月『ツナグ』感想文|死者との再会が描く心揺さぶる連作長編小説

「もし一度だけ、亡くなった人に会えるとしたら――」 辻村深月の『ツナグ』は、死者と生者をつなぐ“使者”の存在を軸に、さまざまな人々の再会と心の葛藤を描いた連作長編小説です。 人生の後悔、愛情、赦し――一夜限りの邂逅が、読者の心に静かに染み渡...
ミステリー

伊坂幸太郎『重力ピエロ』感想文|家族と正義を描く静かな衝撃のミステリー

「春が二階から落ちてきた」――そんな印象的な書き出しから始まる『重力ピエロ』は、ミステリーでありながら、家族の絆と人間の本質に深く切り込む物語。 放火事件の謎を追う兄弟の姿を通して、読者は“正義とは何か”“血縁とは何か”という問いに向き合う...
映像化原作

湊かなえ『告白』感想文|衝撃のモノローグ形式で描く復讐と倫理の心理ミステリー

「愛美は死にました。事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」 湊かなえの『告白』は、教師の一言から始まる衝撃の心理ミステリー。 モノローグ形式で語られるそれぞれの“告白”が、読者の倫理観と感情を揺さぶり続けます。 デビュー作と...
映像化原作

吉本ばなな『TUGUMI』感想文|病弱な少女と海辺の夏が描く青春の光と影

病弱で毒舌、でもどこか憎めない少女・つぐみ。吉本ばななの『TUGUMI』は、海辺の町で過ごす最後の夏を舞台に、若者たちの揺れる心と絆を描いた青春小説です。 静かな時間の中に、痛みと優しさが交錯する――そんな“記憶のような物語”が、読む人の心...
ミステリー

東野圭吾『マスカレード・ナイト』感想文|仮面の下に潜む真実を暴くホテルミステリー|「マスカレード」シリーズ第3弾

華やかなホテルのカウントダウンパーティーに、殺人犯が紛れ込んでいる――。 『マスカレード・ナイト』は、東野圭吾による人気シリーズ第3弾。 ホテルマンに扮した刑事・新田とコンシェルジュ・山岸が、仮面舞踏会の裏で繰り広げられる謎と人間模様に挑み...
ミステリー

辻村深月「太陽の坐る場所」感想文|記憶と視線が交錯する青春ミステリー

「あなたは、あの子のことを覚えていますか?」 辻村深月の『太陽の坐る場所』は、卒業から10年後の同窓会をきっかけに、過去の記憶と視線が交錯する青春群像ミステリー。 誰かを忘れたことがある人、誰かに忘れられたことがある人――そんな“痛み”に静...
ミステリー

冲方丁「十二人の死にたい子どもたち」感想文|命と向き合う心理ミステリーの傑作

「死にたい」と願う十二人の少年少女が、廃病院に集まった――。 冲方丁が初めて挑んだ現代長編ミステリー『十二人の死にたい子どもたち』は、衝撃的なテーマながらも、繊細な心理描写と緻密な構成で読者を引き込む一冊です。 “死”を語ることで“生”を見...
心が動いた本

よしもとばなな『キッチン』感想と魅力を解説|台所という空間を通じて喪失と再生を描く名作

よしもとばななの代表作『キッチン』は、喪失の痛みと人とのつながりを、静かで優しい筆致で描いた心に残る一冊。台所という空間を通して、主人公の再生の物語がそっと語られます。今回はその魅力をたっぷり紹介します。書籍の基本情報著者:よしもとばなな出...