ミステリー

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乃南アサ『岬にて』感想文|日常に潜む心の闇を描いた女性の心理描写の名手による14の短編集

乃南アサさんの短編集『岬にて』は、旅先の風景や日常の中に潜む“心の闇”を描いた14編の傑作選です。中でも「ママは何でも知っている」は、家庭という安心のはずの場所が、じわじわと不穏に変わっていく恐ろしさが際立つ一編。静かな語り口なのに、読後に...
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湊かなえ『白ゆき姫殺人事件』感想文|誰を信じればいいかわからなくなるSNSの闇に潜む真実

「噂は真実を飲み込む」――そんな言葉がぴったりな一冊。湊かなえの『白ゆき姫殺人事件』は、殺人事件の真相を追うミステリーでありながら、現代社会の情報の怖さを鋭く描いた作品。読者は証言と報道、SNSの投稿を通して事件を追いかけるけれど、果たして...
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小川哲『君のクイズ』感想文|不思議な読後感を味わえる|知的好奇心を刺激するクイズ×ミステリー小説

『君のクイズ』は、クイズ番組を舞台にした異色のミステリー。問題文が読まれる前に正解するという衝撃の展開から始まり、記憶・思考・知識の本質に迫る知的でエモーショナルな物語です。書籍の基本情報著者:小川哲出版社:朝日新聞出版出版年:2022年ペ...
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伊坂幸太郎『ホワイトラビット』感想文|人気キャラクターが活躍!伏線回収が爽快なユーモア系ミステリー

『ホワイトラビット』は、伊坂幸太郎らしいユーモアと緻密な構成が光るミステリー。誘拐事件を軸に、複数の視点と時系列が絡み合い、最後には見事な伏線回収で読者を驚かせます。書籍の基本情報著者:伊坂幸太郎出版社:新潮社出版年:2020年ページ数:3...
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東野圭吾『虚ろな十字架』小説感想文|罪と償いについて考えさせられる社会派ミステリー

東野圭吾の『虚ろな十字架』は、死刑制度や真の償いとは何かを鋭く描いた社会派ミステリーです。人間の感情や罪と向き合う深みのあるテーマが心を揺さぶる本作は、読者に新たな視点をもたらします。書籍の基本情報著者:東野圭吾出版社:光文社出版年:201...
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東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』感想文|現在映画公開中!人気シリーズ第1弾

東野圭吾の新たなシリーズ『ブラック・ショーマン』。その第一作である『ブラックショーマンと名もなき町の殺人』は、東野作品らしい「謎解きの面白さ」と「人間ドラマ」の両方を味わえる一冊です。小さな町で起きた殺人事件を軸に、父を殺された女性と派手な...
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湊かなえ『リバース』感想文|どんでん返しが衝撃!Audibleでも聴ける心理ミステリー

親友の死、それは「事故」か「事件」か――。平凡な会社員・深瀬和久が、あるきっかけから過去の出来事と向き合わざるを得なくなる物語。湊かなえらしい、最後の一行まで気を抜けない心理描写と巧みな構成が光ります。読後、タイトルおよび表紙の意味が胸に重...
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乃南アサ『すれ違う背中を』感想文|人気シリーズ第2弾‐描く再出発と小さな幸せを見つける物語

刑務所から戻ってきた二人が、谷中で少しずつ新しい人生を築いていく──。乃南アサの人気シリーズ第2弾『すれ違う背中を』は、ただのサスペンスではありません。人との距離感、働く喜び、そして日常に訪れる小さな幸せが、丁寧に描かれています。今回の物語...
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宮部みゆき『小暮写眞館』感想文|ドラマ化原作-心に沁みる不思議な写真と再生の物語

「もし、ある日突然 “心霊写真” の謎を託されたら——あなたはその過去に向き合えますか?」写真はただの記録にとどまらず、ときに人の記憶や後悔、痛みまで映し出すもの。宮部みゆきさんの『小暮寫眞館』は、そんな“写真の力”を静かに、そして深く描い...
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『震える牛』小説感想文|映画化原作-食品業界の闇に迫る社会派ミステリーの傑作【Audibleでも聴ける】

「正義とは何か?」と問われたとき、あなたは即答できますか?『震える牛』は、ただのミステリーではありません。食品偽装、労働環境、報道と警察の関係…現代社会が抱える闇に正面から切り込んだ、読みごたえ抜群の社会派小説です。書籍の基本情報著者:相場...