有川浩『空飛ぶ広報室』感想文|自衛隊と報道の狭間で描く再生と絆の物語

仕事×本

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「やりたいことができない」――そんなジレンマを抱えた二人が出会い、ぶつかり、少しずつ変わっていく。

有川浩『空飛ぶ広報室』は、航空自衛隊の広報官とテレビ局のディレクターが、互いの価値観をぶつけ合いながら成長していく物語。
自衛隊というテーマを扱いながらも、ユーモアと人間味にあふれた筆致で、読者の心に静かに火を灯します。

書籍の基本情報

  • 著者:有川浩
  • 出版社:幻冬舎
  • 出版年:2012年
  • ページ数:558ページ
  • 映像化:ドラマ化(2013年)
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こんな人におすすめ

  • 自衛隊や報道の裏側に興味がある人
  • 仕事に悩む人、再スタートを切りたい人
  • 有川浩作品の温かさと誠実さが好きな人

あらすじ(ネタバレなし)

報道部から情報部に異動させられたテレビ局員・稲葉リカは、航空自衛隊の広報室を取材することに。
担当となった広報官・空井大祐は、元ブルーインパルスのパイロットだったが、事故により夢を断たれ、広報室へ異動してきたばかり。
互いに「本来の仕事ではない」と感じながらも、少しずつ自衛隊の活動や広報の意義に向き合っていく。
震災後の松島基地を描いた最終章「あの日の松島」では、現実と向き合う力強さが胸を打つ。

「空飛ぶ広報室」が読みやすい理由

  • 会話がテンポよく、キャラクターの魅力が際立つ
  • 自衛隊の知識が自然に身につく構成
  • 恋愛・仕事・社会性がバランスよく描かれている

感想

『空飛ぶ広報室』は、ただの“お仕事小説”ではなく、人生の再起と人とのつながりを描いた再生の物語でした。
空井と稲葉は、それぞれ夢を失った場所からスタートし、互いの価値観にぶつかりながらも、少しずつ前を向いていく。
自衛隊というテーマは重くなりがちですが、有川浩の筆致はあくまで温かく、誠実で、読者に偏見なく世界を見せてくれます。

今いる場所が自分が本当にしたかったことではないと思っても、興味や関心を持って取り組んでみると面白さを発見できる。
また、自分一人ではできないことでも仲間とだったら叶えられる。
そして、その仲間たちはずっと一緒にいられるわけではないから、この一瞬一瞬を大切に。
そんなことをユーモアを含んだ温かい文章で読者に伝えてくれます。

最終章「あの日の松島」は、東日本大震災後の現実を描いた力強い一編。 涙をこらえながら読んだという声も多く、フィクションでありながら、現実に寄り添う力を持った作品です。

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猫のナナと青年サトルのロードノベル。なぜ旅をしているのか、その理由に気づいたとき、涙が止まらない。
有川浩の優しい温かい文章を存分に味わってください。

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まとめ

『空飛ぶ広報室』は、自衛隊と報道の狭間で揺れる人々の葛藤と成長を描いた感動作。
仕事に悩む人、夢を失った人、もう一度前を向きたい人に、ぜひ読んでほしい一冊です。
ドラマ版も大好きですが、小説だからこそ味わえる心理描写の深さがあります。
有川浩作品の中でも、社会性と人間味が絶妙に融合した名作です。

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有川浩作品の感想記事ページ

ルミエール
ルミエール

有川浩作品大好きです。
読むと優しくなれる。愛される喜びを感じられます!

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