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「未来は予測できるのか――そして、それは幸せなのか」
東野圭吾『ラプラスの魔女』は、科学的知識と超常的な力が交錯する、異色のサスペンスミステリー。
硫化水素による不可解な事故を追う地球化学者と、未来を“計算”できる少女の出会いが、物語を予想外の方向へ導いていきます。
科学と人間の感情、そして家族の崩壊を描いた本作は、東野作品の中でも挑戦的な一冊です。
書籍の基本情報

- 著者:東野圭吾
- 出版社:KADOKAWA
- 出版年:2015年
- ページ数:496ページ
- 映像化:映画化(2018年)
こんな人におすすめ

- 科学×ミステリー×ファンタジーの融合に興味がある人
- 東野圭吾の“異色作”を読んでみたい人
- 予測不可能な展開と哲学的テーマを楽しみたい人
あらすじ(ネタバレなし)

温泉地で発生した硫化水素による死亡事故。調査を依頼された地球化学者・青江修介は、現場で不思議な少女・羽原円華と出会う。
彼女は、気象や環境の変化を“計算”し、未来を予測する能力を持っていた。
やがて第二の事故が発生し、円華の行動と事件の関係性が浮かび上がる。
その背後には、映画監督・甘粕才生と、植物状態の息子・謙人の過去が絡み、物語は科学と人間の業が交錯する深みへと進んでいく――。
読書初心者にもおすすめの理由

- 会話が多くテンポが良いため、スラスラ読める
- 科学的な説明が丁寧で、専門知識がなくても理解できる
- 複数の視点で描かれるため、物語の全体像がつかみやすい
読む前に知っておきたい魅力と注意点

魅力
- 科学とファンタジーが融合した独特の世界観
- 未来予測というテーマが哲学的な問いを投げかける
- 家族の崩壊と再生を描いた人間ドラマとしても秀逸
注意点
- 超常的な能力の描写にリアリティを求めると違和感があるかも
- ミステリー要素は薄めで、サスペンス寄りの構成
- 登場人物が多く、関係性の把握にやや時間がかかる
感想

『ラプラスの魔女』は、科学と人間の感情がぶつかり合う、静かで不穏な物語でした。
円華の“未来を読む力”は、単なる超能力ではなく、科学的な演算の延長線にあるという設定が新鮮。
その力が人の命を左右する場面では、「予測できる未来に、人はどう向き合うべきか」という問いが突きつけられます。
甘粕才生の過去や、謙人との関係性は、家族ではあるけれども、気持ち悪いという感情を持ち、読み進めるのを躊躇するほど。
でも、全体的には、次から次へと新しい事柄が発生し、どんどん惹きこまれます。
未来がわかることは幸せなのか、わからないことの方が幸せなのか―― そんな問いに揺れながら、私は読み終えた後もしばらく思考が止まりませんでした。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「魔力の胎動」東野圭吾
ラプラスの魔女で活躍した円華が悩める人を救っていく温かい気持ちになる物語
まとめ
『ラプラスの魔女』は、科学と人間の感情が交錯する異色のミステリー。
未来を予測できる力が、人の命や選択にどう影響するのか――
東野圭吾の挑戦的なテーマ設定と、緻密な構成が光る一冊です。
“科学の力”と“人間の業”に興味がある方に、ぜひ読んでほしい作品です。
東野圭吾作品の感想記事

東野圭吾作品大好きです。
いっぱい紹介してますので、見てみてください!
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