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「伝えるって、むずかしい」
大事なことほど、うまく言葉にできなかったり、相手のどう受け取られるか不安になったり。
『レインツリーの国』は、そんな”伝えることのもどかしさ”と、それでも分かり合おうとする気持ちを描いた、静かで心にしみる恋愛小説です。
メールのやりとりから始まる二人の物語。
ふだん本を読まない方にもおすすめしたい、やさしくてリアルな1冊です。
書籍の基本情報
- 著者:有川浩
- 出版社:角川書店
- 発売年:2015年
- ページ数:240ページ
- 映像化:映画化(2015年)
こんな人におすすめ
- 恋愛小説が読みたいけれど、甘すぎるのはちょっと苦手
- 読書初心者でも読みやすい、やさしい文体の本を探している
- 気になる人との関係に、ちょっと悩んでいる
あらすじ(ネタバレなし)
忘れられない小説の感想を書いているブログがあった。
主人公の向坂伸行は会社ではいろいろとそつなくこなすタイプ。小説を読んでいるというキャラクターではないから、本の話は会社ではほとんどしない。
その感想ブログは自分とは少し違った見方をしていて、言葉の選択が絶妙で面白い。
とりあえず書くだけ、書いたからただ送ってみるだけだったのに、、、繋がった。
きっかけは1冊の本について書かれたブログ。
そのブログ主・ひとみと、コメントを残した伸行とのメールのやり取りから始まる恋。
ひとみには”ある事情”があり、それをどう伝えるか・どう受け取るかが、ふたりの距離に大きく影響していきます。
会話がテンポよく進む文体、リアルな感情のズレと共感。
「思いを伝えることの難しさと大切さ」が静かに、でも深く伝わってくる物語です。
「レインツリーの国」が読みやすい理由
- メール・会話ベースなのでテンポが良く、読みやすい
- 登場人物の気持ちに共感しやすく、感情移入しやすい
- リアルな”恋愛の不安”や”伝え方”が丁寧に描かれている
感想
自分も小説をよく読むので、感想を言い合うのがたまらなく面白いと感じる。同じものを読んでいるのに別の視点から投げかけられる感想とか、相手の語彙力とか、自分と違うことがありがたいと感じる。
最初はそんな微笑ましい展開なのに、相手がなかなか会いたがらない。
そして、会えた時のギクシャク感。謎が解けたときにきっと読者の偏見も露になる。
ミステリーではないけど、誘導に乗っかっていった後の「あっ」をきっとみんな感じるはず。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 有川浩「図書館戦争」
“言葉で伝える”って面白い。そんなあなたに贈る、同じ著者が描く次の1冊をご紹介します。
まとめ
『レインツリーの国』は、ただの恋愛小説ではありません。 “伝えることの難しさ”と“それでも分かり合いたい気持ち”を、静かで繊細な筆致で描いた物語です。メールのやりとりから始まる二人の関係は、言葉の選び方ひとつで揺れ動き、読者自身のコミュニケーションを見つめ直すきっかけにもなります。
聴覚障害というテーマを扱いながらも、重くなりすぎず、リアルな感情のズレや不安が丁寧に描かれていて、誰もが共感できる瞬間が散りばめられています。 恋愛初心者にも、読書初心者にもやさしい文体で、読みやすさと深さを兼ね備えた一冊。
「言葉にできない気持ち」を抱えているあなたにこそ、読んでほしい。 ページをめくるたび、誰かとちゃんと向き合いたくなる――そんな読書体験が待っています。
あなたの心にも、きっと静かに届く1冊です。
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