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「その力は、奇跡ではなく、選択を導くものだった」――
東野圭吾『魔力の胎動』は、『ラプラスの魔女』の前日譚として描かれた連作短編集。
不思議な力を持つ少女・羽原円華と、元子役の鍼灸師・工藤ナユタが、人生の岐路に立つ人々の心に寄り添い、静かに背中を押していく。
科学と人間ドラマが融合した“理系ヒューマンミステリー”として、読後には希望と温もりが残る一冊です。
書籍の基本情報

- 著者:東野圭吾
- 出版社:KADOKAWA
- 出版年:2018年
- ページ数:320ページ
- 映像化:なし
こんな人におすすめ

- 科学と人間ドラマが融合した物語に惹かれる人
- 不思議な力が人の心を動かす展開が好きな人
- 『ラプラスの魔女』シリーズを深く味わいたい人
あらすじ(ネタバレなし)

『魔力の胎動』は、羽原円華と工藤ナユタを中心に描かれる5編の連作短編集。
スキージャンパー、野球選手、恩師を悔やむ教師、視覚障害のピアニスト――それぞれが人生の岐路に立ち、悩みを抱えている。
円華は、物理現象を予測する不思議な力を使い、彼らの選択を導いていく。
科学的な根拠に基づいた“魔力”が、人の心にどう作用するのか。 そして、彼女の力がどんな未来へと繋がっていくのか――
『ラプラスの魔女』へと続く、希望と再生の物語がここに始まる。
「魔力の胎動」が読みやすい理由

- 連作短編集形式で、1話ずつ区切って読める
- 会話が多くテンポが良いため、スラスラ読める
- 登場人物の感情描写が丁寧で、共感しやすい
読む前に知っておきたい魅力と注意点

魅力
- 科学的な力が人間ドラマに自然に溶け込んでいる
- 円華の“魔力”が奇跡ではなく論理で描かれている
- 『ラプラスの魔女』を読む前でも後でも楽しめる構成
注意点
- 科学的な説明が多く、理系が苦手な人には難しく感じるかも
- 事件性よりも人間ドラマが中心のため、ミステリー要素は控えめ
- 円華の感情が読み取りづらく、距離を感じる読者もいるかも
感想

『魔力の胎動』は、不思議な力が人の心を動かす瞬間を描いた、静かで力強い連作短編集でした。
羽原円華の力は、奇跡ではなく“科学的な予測”でありながら、どこか人間の感情に寄り添っている。
科学と感情が交差する瞬間に、読者自身も「自分ならどうするか」と問いかけられる。
短編の中でも特徴的なのは相棒となる工藤ナユタ。
円華とナユタのコンビが絶妙で、彼の人間味が円華の冷静さを補っているように感じました。
短編すべて良い話で特にナユタ自身のエピソードが印象的。
読後には、静かな希望と、誰かの選択を尊重したくなるような余韻が残る一冊でした。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「魔女と過ごした七日間」東野圭吾
羽原円華シリーズ第3弾
「ラプラスの魔女」→「魔力の胎動」→「魔女と過ごした七日間」の順番で読むのがおすすめ
→「ラプラスの魔女」感想記事はこちら
まとめ
『魔力の胎動』は、不思議な力を持つ少女が、人生の岐路に立つ人々の選択を導いていく連作短編集。
科学と人間ドラマが融合した物語は、読後に静かな希望と温もりを残してくれる。
『ラプラスの魔女』を読む前でも後でも楽しめる、シリーズの“始まり”にふさわしい一冊です。
東野圭吾作品の感想記事

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いっぱい紹介してますので、見てみてください!
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