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『君のクイズ』は、クイズ番組を舞台にした異色のミステリー。
問題文が読まれる前に正解するという衝撃の展開から始まり、記憶・思考・知識の本質に迫る知的でエモーショナルな物語です。
書籍の基本情報

- 著者:小川哲
- 出版社:朝日新聞出版
- 出版年:2022年
- ページ数:192ページ
- 映像化:なし
こんな人におすすめ

- 短くても濃密な読書体験を求める方
- クイズや知識に興味がある方
- 哲学的なテーマに触れたいミステリー好き
あらすじ(ネタバレなし)

生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』決勝戦。
ファイナリストの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が問題文が一文字も読まれないうちに正解し、優勝するという不可解な事態に直面します。
納得できない三島は、本庄の過去や番組の構造を調べながら、決勝戦の一問一問を振り返っていきます。
やがて彼は、自分自身の記憶や人生とも向き合うことになり、「クイズとは何か」「知るとはどういうことか」という問いにたどり着きます。
知的興奮と感情の揺れが交錯する、濃密な読書体験が待っています。
「君のクイズ」が読みやすい理由

- 192ページと短く、テンポよく読める構成
- すっきりした文体でスラスラ読める
- クイズの世界を知らなくても楽しめる工夫が満載
読む前に知っておきたい魅力と注意点

魅力
- “ゼロ文字正答”から始まる異色のミステリー
クイズ番組で、問題文が一文字も読まれないうちに正解するという衝撃のシーンから物語がスタート!
その謎を追う展開がスリリングで一気読み必至です。 - クイズ×哲学の知的エンタメ
単なる謎解きではなく、「知るとは何か」「記憶とは誰のものか」といった深いテーマに踏み込んでいて、読後にじんわりと考えさせられる構成が魅力的。 - 短くても濃密な読書体験
200ページ弱のコンパクトな長さながら、構成が巧みで読み応えたっぷり。
時間がないけど“読んだ感”が欲しい人にもぴったりです。
注意点
- “派手なトリック”を期待すると肩透かしも
ミステリーだけど、どんでん返しやサスペンス的な驚きよりも、“納得”や“思索”に重きを置いた作品。
スリル重視の人には物足りないかもしれません。 - クイズや雑学に興味がないと入りづらいかも
作中にはクイズの知識や競技クイズの世界観が多く登場するから、そこに興味が持てないと少し退屈に感じる可能性もあります。 - 過去と現在が交錯する構成に注意
物語は現在・回想・クイズの場面が入り混じって進むから、慣れるまでは少し混乱するかもしれません。
でもその構成が、真相に迫る面白さを生んでるんです。
感想

「問題文ゼロで正解」という衝撃の冒頭から、読者の思考を揺さぶる展開が続きます。
単なる謎解きではなく、クイズという行為の本質に迫る哲学的な問いが深くて面白い!
三島と本庄の対比も絶妙で、読後には「知ること」への視点が変わるような感覚が残りました。
小川哲さんの作品は初めて読みました。
他の作家さんとは違う読後感。淡々と進むのですが、ちょこちょこ鋭い剣でつつかれている感覚。
タイトルに「君のクイズ」と付けたのも秀逸。
これは最後の最後にわかるので、理由は伏せておきます。
とにかく、短いながらも濃密で、知的好奇心を刺激される一冊です。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 朝井リョウ『発注いただきました!』
「君のクイズ」は競技クイズを題材に書かれた物語。
朝井リョウさんの「発注いただきました!」こんな題材から、小説がどうやって出来上がるのか?の謎解きが体験できる作品です。
ぜひ、読んでみて!
👇感想記事はこちら

まとめ
『君のクイズ』は、クイズを通じて「知ること」の意味を問い直す知的エンタメ作品。
短時間で読めるのに深い読後感が味わえるので、ぜひ手に取ってみてください!
ルミエールのつぶやき
新感覚の作品でした。
一文字も読まれずにクイズに答えた、というところからミステリが始まる。
ちゃんと謎解きだし、その推理に納得。
クイズ番組を見るのは好きで、私もテレビの前で回答したりしてる。
プロの回答者って、こういう思考回路なんだ!ってわかるのが面白い。




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