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「最後の二行で、すべてがひっくり返る」――
乾くるみ『イニシエーション・ラブ』は、恋愛小説の皮をかぶった“叙述トリック”の傑作。
1980年代の空気感と甘酸っぱい恋の描写に浸っていたはずが、読了後には思わず最初から読み返したくなる。
恋愛×ミステリーという異色の組み合わせが、読者の予想を鮮やかに裏切る一冊です。
書籍の基本情報

- 著者:乾くるみ
- 出版社:文藝春秋
- 出版年:2004年
- ページ数:272ページ
- 映像化:映画化(2015年)
こんな人におすすめ

- 恋愛小説に新しい刺激を求めている人
- 叙述トリックや構成の妙を楽しみたい人
- 読後に「もう一度読み返したくなる」作品が好きな人
あらすじ(ネタバレなし)

大学生の鈴木夕樹は、合コンで出会った成岡繭子に惹かれ、交際を始める。
奥手な性格ながらも、週末のデートを重ねるうちに、二人は「たっくん」「マユちゃん」と呼び合う仲に。
やがて鈴木は就職し、東京へ。
遠距離恋愛となった二人の関係は、少しずつ変化していく。
sideAとsideBに分かれた構成で描かれる恋の物語は、最後の二行でまったく違う意味を持ち始める――。
「イニシエーション・ラブ」が読みやすい理由

- 一人称の語りで感情の流れが自然に伝わる
- 1980年代の描写が懐かしく、雰囲気に浸れる
- 恋愛小説としてもテンポが良く、読みやすい構成
読む前に知っておきたい魅力と注意点

魅力
- “最後の2行”で世界がひっくり返ります
- 甘酸っぱい恋愛小説と思って読んでいたら、ラストで全ての見え方が変わる仕掛けがあります。読後に「もう一度読み返したい」と思う読者が続出しています。
- 1980年代の空気感が味わえます
- 携帯もメールもない時代の恋愛が描かれていて、ファッションや音楽などの描写が懐かしくも新鮮です。
- side-Aとside-Bの二部構成が巧みです
- 静岡編と東京編で語り口が変わり、恋愛の変化とともに物語のトーンも変化します。構成の妙が光る作品です。
注意点
- 叙述トリックに気づかないと“普通の恋愛小説”に見えることもあります
- 仕掛けに気づかずに読むと、ただのすれ違いの物語に感じてしまう可能性があります。
- 登場人物に共感しづらい場面もあります
- 主人公の行動や心理に違和感を覚える読者もいて、感情移入が難しいと感じることがあります。
- 読後にモヤモヤが残る可能性があります
- 爽やかな恋愛小説を期待すると、ラストの展開に驚きすぎて気持ちが沈むこともあるかもしれません。
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「活字でじっくり浸りたい」「手元に置いておきたい」
という方には、紙や電子書籍版が断然おすすめ。
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読む時間が取れない方にはAudible版がおすすめです

Audibleのメリット
耳で聴けるから、通勤や家事の合間にも“ながら読書”ができる!
Audibleのデメリット
音声だけだと、細かい表現や漢字のニュアンスがつかみにくいことも…
Audible版『イニシエーション・ラブ』では、鈴木達央さんの朗読が、主人公・鈴木夕樹の心情を繊細に表現。
再生時間は約7時間。
恋愛の甘さと違和感の積み重ねが、声を通してよりリアルに響いてきます。
sideAとsideBの語りのトーンの変化にも注目。
読書が苦手な方でも、音声で“二度読みたくなる”体験が可能です。
Audible会員なら聴き放題対象作品なので、無料体験から気軽に始められます。
※期間中に解約すれば料金は一切かかりません。
感想

『イニシエーション・ラブ』は、恋愛小説として読み進めていたはずが、最後の二行で“ミステリー”に変貌する衝撃作でした。
sideAとsideBの構成が巧妙で、読者は自然と時間の流れを信じ込まされる。
しかし、sideBの終盤で違和感が積み重なり、最後の瞬間にすべてが繋がる。 繭子の印象も、鈴木の印象も、読後には180度変わってしまう。
恋愛の甘さと人間の裏側を同時に描き出す乾くるみの筆力に、ただただ唸るばかり。
「必ず二度読みたくなる」というキャッチコピーは、まさに本質を突いています。実際に気になる箇所を二度読みました。。。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「十角館の殺人」綾辻行人
日本のミステリー界を震撼させた綾辻行人のデビュー作。この作品の前後で本格派と新本格派に分かれると言われている傑作。
これこそ”ある一文”でこの作品の意味合いが180度変わる作品。
まとめ
『イニシエーション・ラブ』は、恋愛小説の枠を超えた“構成の魔術”が光る一冊。
甘酸っぱい青春の描写に浸りながら、最後にはミステリーとしての衝撃が待っている。
読後にもう一度読み返したくなる感覚を味わいたい人に、ぜひおすすめしたい作品です。
映画化もされているので、映像との違いを楽しむのも◎。
📚活字でじっくり味わいたい方は
🎧移動中や家事中に楽しみたい方は
どちらの形でも、驚きを存分に堪能できます。
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