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検死・解剖8,000体、監察医として40年――。
西丸與一が法医学教室を去るにあたり綴った『法医学教室との別れ』は、命と向き合い続けた医師の静かな回顧録です。
事件の裏側、死者の声、そして医療と社会の狭間で揺れる人間の姿が、淡々とした語り口の中に深く刻まれています。
書籍の基本情報
- 著者:西丸與一
- 出版社:朝日新聞出版
- 出版年:1992年
- ページ数:266ページ
- 映像化:なし
こんな人におすすめ
- 法医学や監察医の仕事に興味がある人
- 実話ベースの医療エッセイを読みたい人
- 死と向き合う仕事の哲学に触れてみたい人
あらすじ(ネタバレなし)
本書は、横浜市立大学医学部で法医学を教え、監察医として数々の事件に関わった西丸與一が、退官を機に綴ったエッセイ集。
検死や解剖の現場で見えてきた人間模様、社会の矛盾、そして医師としての葛藤が、静かに語られます。
センセーショナルな描写はなく、むしろ“命の記録”としての重みがじわじわと伝わってくる構成です。
「法医学教室との別れ」が読みやすい理由
- 1話完結のエッセイ形式で、どこからでも読み始められる
- 専門用語が少なく、一般読者にも配慮された語り口
- 著者の冷静な視点が、感情に流されず読者を導いてくれる
感想
『法医学教室との別れ』は、死を扱っているのに、どこか“生”を感じさせる作品でした。
西丸先生の語り口は淡々としていて、決して感情を煽ることはありません。 それでも、検死の現場で見えてきた人間の孤独や社会の歪みが、静かに胸に迫ってきます。
特に印象的だったのは、死者の“声”を聴こうとする姿勢。
医師としての技術だけでなく、人間としての誠実さがにじみ出ていて、読後には深い余韻が残りました。
2018年のドラマ、アンナチュラルで法医学が注目されるようになりましたが、それまでは法医学教室の事件ファイルという二時間ドラマで法医学がテーマになっていました。その法医学教室の事件ファイルの法医学監修をしていたのが著者の西丸與一さんです。
法医学は未来のための仕事なんです。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「法医学教室の午後」西丸與一
法医学教室シリーズの第1弾です。エッセイですが、フィクションに負けず劣らずドラマがあり、本当の話だからこそ涙が出ます。
まとめ
『法医学教室との別れ』は、命の終わりに向き合う仕事の記録であり、社会と人間を見つめ直す一冊です。
医療や法医学に興味がある人はもちろん、静かな感動を求める読者にもおすすめ。
西丸先生の言葉が、あなたの“生きる視点”を少しだけ変えてくれるかもしれません。
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