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「もし、ある日突然 “心霊写真” の謎を託されたら——あなたはその過去に向き合えますか?」
写真はただの記録にとどまらず、ときに人の記憶や後悔、痛みまで映し出すもの。
宮部みゆきさんの『小暮寫眞館』は、そんな“写真の力”を静かに、そして深く描いた物語です。
古びた写真館に引っ越してきた高校生の英一が、ふとしたきっかけで一枚の写真と出会い、
そこから他人の過去と、自分自身の家族の中にある“言葉にできなかった思い”に少しずつ向き合っていきます。
一見すると謎解きミステリーですが、ページをめくるほどに、
これは“赦しと再生”の物語なのだと気づかされる一冊です。
書籍の基本情報
- 著者:宮部みゆき
- 出版社:講談社
- 出版年:2013年
- ページ数:448ページ(上巻)560ページ(下巻)
- 映像化:ドラマ化(2013年)
こんな人におすすめ
- 青春ミステリーや日常系の物語が好きな方
- 家族関係や人間関係に温かく向き合いたい方
- 心がじんわりあたたまる小説を読みたい方
あらすじ(ネタバレなし)
高校生の英一は、家族とともに古びた「小暮写眞館」へ引っ越してくる。
ある日、元の住人あてに届けられた1枚の古い写真——
そこに写っていた“おかしな影”をきっかけに、英一はその写真の謎をたどり始める。
写真を通じて浮かび上がる過去の記憶、人の痛みと救い。
亡くなった妹への家族それぞれの想い、曖昧なまま残された人間関係、
そして「垣本順子」という存在とどう向き合うか——
小さな謎解きを繰り返しながら、英一は人との距離や、家族との関係、自分自身の成長と向き合っていく。
「小暮写真館」が読みやすい理由
- 謎解きはあるが難解すぎず、ストーリーに引き込まれる
- 登場人物の会話が自然で読みやすい
- 日常にある“ちょっと不思議”な出来事が心地よい
感想
この物語は、「派手な謎解き」ではなく、「心の奥のしこり」にそっと光を当てるようなやさしさに満ちています。
主人公・英一の真っ直ぐな視線が、読者の心にもまっすぐ届く。
特に家族との距離感や、過去をどう受け入れていくかに悩んだ経験のある方には、深く刺さる一冊だと思います。
読後、しばらく静かな余韻が続きました。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 『火車』宮部みゆき
宮部みゆきさんと言えば、やっぱり『火車』でしょう。社会問題である消費者金融、個人破産を描き、身近な落とし穴を描き、自分にも起こりえるかも・・・と思える物語。
まとめ
ミステリーでありながら、心の機微を丁寧に描いた感動作。
読むことで、「人を理解するって、こういうことかもしれない」と思える瞬間があります。
宮部みゆきさんの中でも、特にやさしく、あたたかく、忘れがたい作品です。
ぜひ、『小暮写眞館』で静かな感動を味わってください。
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