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「久しぶりに本を読んでみたいけれど、何を選べばいいかわからない」
そんな人にこそおすすめしたいのが、重松清の『希望ヶ丘の人びと』です。
派手な事件はないけれど、登場人物たちの心の揺れや、家族・仲間との距離感がリアルに描かれています。
やさしくて、どこか懐かしい読後感のある一冊です。
Amazonのレビュー★4.1以上も納得の内容👇
書籍の基本情報

- 著者:重松清
- 出版社:講談社
- 出版年:2015年
- ページ数:320ページ(上巻)、432ページ(下巻)
- 映像化:テレビドラマ化(2016年)
こんな人におすすめ

- 中学生のお子さんをお持ちの方
- 脱サラしたい人
- 仕事ばかりの人生でいいのかなと悩んでいる人
あらすじ(ネタバレなし)

主人公の田島は奥さんをガンで亡くし、その奥さんの故郷である希望が丘に家族3人で引っ越してきます。
希望が丘はいわゆるニュータウンでちょっとリッチで品行方正な人たちが住む地域です。
そこで田島は学習塾を開校しますが、生徒は集まらなかったり、奥さんの初恋の話を聞いて嫉妬したり、娘と息子もそれぞれ課題を抱えていて。。
前途多難、田島はどうするのか?
「希望ヶ丘の人びと」が読みやすい理由

- 主人公たちの行動に笑ったり、怒ったり、泣いたり、心を動かされる
- 文章のノリがよい
- 街の人びとと仲良くなっていく過程にそそられる
読む前に知っておきたい魅力と注意点

魅力
- 家族の再生を描いた静かな感動作です
- 妻を亡くした父と子どもたちが、母の故郷「希望ヶ丘」で新たな生活を始める姿が、じんわりと心に染みてきます。
- 登場人物の心の揺れがリアルに描かれています
- 父の嫉妬や子どもたちの葛藤、街の人々との距離感など、誰もが抱える感情が丁寧に描かれていて共感しやすいです。
- “多様性”をやさしく伝える物語です
- 品行方正な街で個性豊かな人々がぶつかりながらも共存していく様子が、「いろんな人がいていいんだ」と自然に感じさせてくれます。
注意点
- 派手な事件や展開はありません
- 日常の中の小さな出来事が中心なので、サスペンスやドラマチックな展開を期待すると物足りなく感じるかもしれません。
- 主人公の哀愁が強く、重く感じる場面もあります
- 40代の父親の視点が中心なので、若い読者には感情移入しづらい部分もあるかもしれません。
- “ニュータウン”の閉塞感が描かれています
- 均一な街並みや住民の空気感に、息苦しさを感じる描写もあり、読んでいてもどかしくなる場面があります。
感想

主人公家族が引っ越してきた希望が丘という街は区画が均等に区切ってあって、どの家も同じような外観のニュータウンで、住んでいる人も似ている中で息苦しいと感じている個性豊かなキャラクター達。
きっと熟語で表したら「多様性」を示した話なのだと思います。
そう書くと小難しそうに思うかもしれませんが、文体はコミカルで主人公には40代の哀愁も漂っているし、その仲間たちもどこか抜けていてやや情けない感じ。
だから、「多様性」の尊重が大切!とかいう正論を言っているのではなくて、いろんな人がいると楽しいよね、というのがなんとなく伝わってくる感じがじんわりと染みてきます。
大人になっても悩んだり、バカやったり、たまに泣いたりして、友達もできるのは、うらやましいと素直に感じました。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 重松清「定年ゴジラ」
まとめ
『希望ヶ丘の人びと』は、妻を亡くした父とその子どもたちが、妻の故郷であるニュータウン「希望ヶ丘」に引っ越し、再出発を図る物語です。
派手な事件は起こらないけれど、登場人物たちの心の揺れや人間関係のもつれが丁寧に描かれていて、じんわりと心に染みてきます。笑いと切なさが絶妙に混ざり合った文体は、読書初心者にもやさしく、人生の節目にそっと寄り添ってくれるような一冊です。家族や仕事に悩んでいる方、静かに背中を押してほしい方に、ぜひおすすめします。
重松清作品の感想記事ページ

重松清作品、家族、生死をテーマにしている作品が多いので
泣きたい時にぴったりです。
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