このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。
「なぜ彼は、瀕死の状態で麒麟像まで歩いたのか」――
東野圭吾『麒麟の翼』は、加賀恭一郎シリーズ第9作目にあたる長編ミステリー。
東京・日本橋の象徴である麒麟像の前で倒れた男性の死をきっかけに、事件の真相と人々の心の奥にある“想い”が少しずつ明らかになっていきます。
謎解きのスリルだけでなく、家族や友情、贖罪といった人間ドラマが深く描かれた感動作です。
書籍の基本情報

- 著者:東野圭吾
- 出版社:講談社
- 出版年:2011年
- ページ数:384ページ
- 映像化:映画化(2012年)
こんな人におすすめ

- ミステリーに加えて人間ドラマも味わいたい人
- 加賀恭一郎シリーズを読んでみたいと思っている人
- 家族や絆をテーマにした物語に心を動かされたい人
あらすじ(ネタバレなし)

寒い夜、日本橋の麒麟像にもたれかかる男性に声をかけた巡査が見たのは、胸に刺さったナイフだった。
被害者は青柳武明。彼はなぜ瀕死の状態で麒麟像まで歩いたのか。
現場近くで逃走中に事故に遭った青年・八島冬樹が容疑者として浮かぶが、加賀恭一郎はその“違和感”を見逃さない。
事件の背景には、過去の事故、家族の秘密、そしてある人物の“献身”が隠されていた――。
加賀と従弟・松宮が真実に迫る中、物語は静かに、しかし力強く展開していく。
「麒麟の翼」が読みやすい理由

- 会話が多くテンポが良いため、スラスラ読める
- 登場人物の心理描写が丁寧で感情移入しやすい
- 日本橋の街並みが舞台で、情景が鮮やかに浮かぶ
読む前に知っておきたい魅力と注意点

魅力
- 人間の“善意”と“過ち”が交錯する物語性
- 単なる犯人探しではなく、登場人物の過去や選択が丁寧に描かれ、心に残る余韻がある。
- 「なぜ彼は麒麟像まで歩いたのか」という問いが象徴的
- 被害者の行動に込められた意味が、物語全体のテーマと深く結びついている。
- 加賀恭一郎の“静かな優しさ”が際立つ一作
- 冷静な推理だけでなく、被害者や遺族に寄り添う姿勢が、シリーズの中でも特に印象的。
注意点
- ミステリーよりも人間ドラマ重視の構成
- 本格的なトリックや謎解きを期待すると、物足りなさを感じるかもしれない。
- 登場人物が多く、関係性の把握に時間がかかる
- 家族・学校・職場など複数の背景が絡むため、整理しながら読むのがおすすめ。
- 過去の事件や社会問題が絡み、重いテーマを含む
- 読後に考えさせられる内容が多く、気軽な読書には向かない可能性も。
感想

『麒麟の翼』は、“真実を暴く”ことよりも、“人を理解する”ことに重きを置いたミステリーでした。
加賀恭一郎の冷静かつ誠実な捜査は、事件の表層だけでなく、関係者の心の奥にある痛みや後悔にまで踏み込んでいきます。
特に印象的なのは、被害者・青柳が最後に麒麟像まで歩いた理由。
それは単なる物理的な移動ではなく、彼の人生の“答え”だったのかもしれません。
加害者とされる人物の背景も丁寧に描かれ、読者は「誰が悪いのか」ではなく「どうすれば人は救われるのか」を考えさせられます。
ミステリーでありながら、家族愛、友情、罪を償うことを大いに考えさせられ、自分が登場人物だったらどうするだろうかと、読者に問うている気がしました。
読後には静かな感動が残る一冊です。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「嘘をもうひとつだけ」東野圭吾
東野圭吾作品の人気キャラクターである「加賀恭一郎」が本格的に推理する短編集。読みやすい短編集を手にとってはいかがでしょうか。
加賀恭一郎シリーズは以下13作品
「卒業」、「眠りの森」、「どちらかが彼女を殺した」、「悪意」、「私が彼を殺した」、「嘘をもうひとつだけ」、「赤い指」、「新参者」、「麒麟の翼」、「祈りの幕が下りる時」、「希望の糸」、「あなたが誰かを殺した」、「誰かが私を殺した」
まとめ
『麒麟の翼』は、加賀恭一郎シリーズの中でも人間ドラマに重きを置いた感動作。
謎解きの面白さだけでなく、家族や友情、贖罪といったテーマが心に深く響きます。
映画化もされており、映像と原作の違いを楽しむのもおすすめ。
シリーズ初心者にも入りやすく、東野圭吾作品の魅力が詰まった一冊です。
ルミエールのつぶやき
加賀さんがいつもどおり、淡々と謎を解いていく中で、ある人の学生時代がキーになっていることがわかります。
学生時代って、視野が狭いから今この時の都合悪いことから逃れたいっていう気持ちが強いんですよね。
贖罪がテーマになっている物語でした。
その時は少し大変なことがあったとしても「正しいことをちゃんとやろう」と思える本でした。
東野圭吾作品の感想記事ページ

東野圭吾作品大好きです。
いっぱい紹介してますので、見てみてください!
→東野圭吾作品の感想記事ページはこちら
次に読むならこちら





コメント