このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。
「言葉には、人を動かす力がある」――
原田マハ『本日はお日柄もよく』は、スピーチライターという職業を通して、言葉の可能性と主人公の成長を描いた感動作。
祝辞、選挙演説、人生の節目に響く言葉たちが、読者の心にも静かに火を灯します。
読み終えた後には、自分の言葉で誰かに何かを伝えたくなる、そんな一冊です。
書籍の基本情報

- 著者:原田マハ
- 出版社:徳間書店
- 出版年:2013年
- ページ数:384ページ
- 映像化:ドラマ化(2017年)
こんな人におすすめ

- 言葉の力やスピーチに興味がある人
- 自分の人生を変えるきっかけを探している人
- 成長物語やお仕事小説が好きな人
あらすじ(ネタバレなし)

OLの二ノ宮こと葉は、幼なじみの結婚式で伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞に心を打たれる。
その感動をきっかけに、こと葉は久美に弟子入りし、言葉の修行を始める。
やがて、政治の世界でスピーチライターとして活躍することになり、選挙戦の現場で言葉の力と向き合う日々が始まる。
人を動かす言葉とは何か――こと葉は悩みながらも、自分の言葉を見つけていく。
「本日はお日柄もよく」が読みやすい理由

- スピーチが物語の中心で、臨場感があり感情移入しやすい
- 主人公の成長が丁寧に描かれていて共感しやすい
- 実際の政治や社会背景が織り込まれていて理解しやすい
読む前に知っておきたい魅力と注意点

魅力
- 言葉の力を体感できる物語
- 祝辞や選挙演説など、スピーチを通して「言葉が人を動かす瞬間」が丁寧に描かれています
- 主人公の成長がリアルで共感しやすい
- 平凡なOL・こと葉が、伝説のスピーチライターに弟子入りし、自分の言葉を見つけていく姿が胸を打ちます
- 読後に前向きな気持ちになれる
- 「3日後の君は、きっと歩き出している」など、心に残るフレーズが多く、読者の背中をそっと押してくれます
注意点
- 政治描写に抵抗を感じる場合も
- 物語後半では選挙や政界が舞台になるため、政治に興味がない方にはやや重く感じられるかもしれません
- 展開がやや理想的すぎると感じることも
- こと葉の成長や成功がスムーズすぎて、現実味に欠けると感じる読者もいるようです
- スピーチ描写が多く、好みが分かれる可能性
- 物語の中心が“話す言葉”なので、会話よりも行動重視の作品を好む方には合わないかもしれません
感想

『本日はお日柄もよく』は、スピーチという“言葉の芸術”を通して、人の心を動かす力と、自分自身の成長を描いた物語でした。
こと葉の成長は、決して華やかではなく、地道で不器用。でもその姿がリアルで、読者の心に深く刺さります。
スピーチの場面では、まるで目の前で語られているかのような臨場感があり、何度も目頭が熱くなりました。
原田マハは、言葉の美しさだけでなく、言葉に責任を持つことの重さも描いていて、読後には「自分の言葉で誰かを動かせるだろうか」と静かに問いかけられるような余韻が残ります。また、自分でスピーチ原稿を書きたいという衝動も掻き立てられます。
この本には、名言も多く、特に本書の解説の冒頭にも引用されているこの部分が特に好きです。
『困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している』
前向きになることをここまで力強く背中を押してくれる文章はあるでしょうか。大切に持っておきたい文章となりました。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「総理の夫」原田マハ
伝説のスピーチライター久遠久美さんが実際に選挙演説を考える役として出てきて、ワクワクします!
→「総理の夫」感想記事はこちら
まとめ
『本日はお日柄もよく』は、言葉の力を信じたくなる物語。
スピーチライターという職業を通して、伝えることの意味と、自分自身の成長を描いた感動作です。
挑戦したい人、誰かに何かを伝えたい人に、ぜひ読んでほしい一冊。
読後には、あなたの言葉が少しだけ変わっているかもしれません。
原田マハ作品の感想記事ページはこちら

原田マハ作品、言葉が優しくて温かい気持ちになります。
ぜひ、お気に入り作品を見つけてください。
→原田マハ作品の感想記事ページはこちら
コメント