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剣道にすべてを捧げるエリート女子と、楽しさを求めて剣道に向き合う初心者女子。
誉田哲也『武士道シックスティーン』は、そんな対照的な二人の高校生活を通して、勝負・友情・成長を描いた青春小説です。
剣道という武道を軸にしながらも、心の揺れや人間関係の機微が丁寧に描かれていて、スポーツ経験の有無を問わず心に響く一冊です。
書籍の基本情報

- 著者:誉田哲也
- 出版社:文藝春秋
- 出版年:2010年
- ページ数:416ページ
- 映像化:映画化(2010年)
こんな人におすすめ

- 熱量のある青春小説を読みたい人
- スポーツを通じて成長する物語に惹かれる人
- 不器用な友情やライバル関係に共感したい人
あらすじ(ネタバレなし)

剣道エリートの香織は、宮本武蔵を心の師とし、勝利にこだわるストイックな高校生。
中学最後の大会で、無名の選手・早苗に敗れた悔しさを忘れられず、同じ高校で再会した彼女に対してライバル心を燃やす。
一方、早苗は日本舞踊から剣道に転向したばかりで、勝敗にこだわらず“楽しさ”を大切にするスタイル。
価値観も性格もまったく違う二人が、剣道部でぶつかり合いながら、少しずつ互いを理解し、成長していく――。
「武士道シックスティーン」が読みやすい理由

- 二人の視点が交互に描かれ、テンポよく進む構成
- 剣道の描写がわかりやすく、初心者でも楽しめる
- 会話のテンポやユーモアが心地よく、飽きずに読める
読む前に知っておきたい魅力と注意点

魅力
- “剛”と“柔”の対比が鮮やか
- 勝利至上主義の香織と、楽しさ重視の早苗。価値観の違う二人がぶつかり合いながら、互いを認めていく姿が胸を打ちます
- 剣道未経験でも楽しめる構成
- 技術的な描写はわかりやすく、二人の視点が交互に描かれることでテンポよく読み進められます
- 青春の痛みと輝きが詰まっている
- 友情、葛藤、成長…高校生活のリアルな感情が丁寧に描かれていて、読後に爽やかな余韻が残ります
注意点
- 主人公の個性が強烈すぎる場面も
- 香織の言動は時に過激で、読者によっては共感しづらい部分もあるかもしれません
- 剣道への熱量に温度差を感じる可能性
- スポーツに強い興味がない方には、登場人物の情熱がやや重く感じられることもあります
- シリーズ前提の描写がある
- 続編『セブンティーン』『エイティーン』とつながっているため、単体では物足りなさを感じる読者もいるかもしれません
感想

『武士道シックスティーン』は、剣道という競技を通して、価値観の違う二人の女子高生がぶつかり、認め合い、成長していく物語。
香織のストイックさと早苗の柔軟さは、まるで“剛”と“柔”の対比のようで、読んでいて何度も胸が熱くなりました。
特に印象的なのは、お互いをリスペクトしているところ。
登場人物たちは決して完璧ではなく、悩み、迷い、時に空回りする。 だからこそ、彼女たちの言葉や行動がリアルに心に迫ってくるのです。
剣道経験がなくても、青春の痛みと輝きを思い出させてくれる、爽やかで熱い一冊でした。
”なんかもう一冊いけそう”なあなたへ
- 「DIVE!!(上・下)」森絵都
飛込競技に青春をかける少年たちの物語。武士道シックスティーンと同じようにライバルであり、かつ尊敬する仲間が出てきます。
まとめ
『武士道シックスティーン』は、剣道を通して描かれる青春と成長の物語。
勝ち負けだけではない“武士道”の精神が、二人の女子高生の姿を通して鮮やかに浮かび上がります。
スポーツ経験がなくても、友情や葛藤に共感できる内容なので、青春小説が好きな方にはぜひおすすめしたい一冊です。
続編『武士道セブンティーン』『武士道エイティーン』もあるので、シリーズで読むとさらに深く楽しめます。
ルミエールのつぶやき
「THE 青春」を味わいたい人におすすめ!
自分自身も十分素晴らしいのに、他の子の素敵な部分を妙に羨ましく感じたり、自分以外の何かになろうとして空回りしたりするのって、「青春だなぁ」って感じる。
大人になった人が読むと、学生時代に何かに一生懸命打ち込む姿が「いいなぁ」「がんばれ!」って思えて、応援したくなるはず。
最近仕事うまくいかないなぁって、思ってるときに読むと元気になれます!
次に読むならこちら





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