このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。
涙がこぼれそうな夜、誰かにそっと背中を押してほしいとき。 言葉にならない感情を、物語が代わりに抱きしめてくれることがあります。
このページでは、「泣きたいとき」にそっと寄り添ってくれる小説をテーマ別に紹介しています。 愛されていることを実感したいとき、人とのつながりを感じたいとき、切なさに浸りたいとき—— それぞれの涙に、ぴったりの一冊がきっと見つかるはずです。
泣いたあと、少しだけ心が軽くなっている。 そんな読書体験を、あなたにも。
愛されていることを実感して泣きたい5冊
汝、星のごとく(凪良ゆう)

風光明媚な瀬戸内の島で育った暁海(あきみ)と母の恋愛に振り回され転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。ときにすれ違い、ぶつかり、成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けた著者がおくる、あまりに切ない愛の物語【2023年本屋大賞受賞作】
『汝、星のごとく』凪良ゆう著 講談社HPより引用
- ジャンル・雰囲気:繊細な心理描写が光るヒューマンドラマ。静かな瀬戸内の島を舞台に、切なくも美しい愛と人生の軌跡が描かれます。
- どんな人におすすめ?:家族や恋愛に悩みを抱えている人、自分の人生を見つめ直したい人に。心の奥にある感情をそっと言葉にしてくれる一冊です。
- 心に残るポイント:「花火」のシーンが象徴的。すれ違いながらも惹かれ合う二人の姿に、愛の不自由さと自由さを深く考えさせられます。
- 詳しい感想はこちら:「汝、星のごとく」感想記事ページ
クジラの彼(有川浩)

ふたりの恋は七つの海も超えていく。男前でかわいい彼女達の最強恋愛小説集
『浮上したら漁火がきれいだったので送ります』。それが2ヶ月ぶりのメールだった。彼女が出会った彼は潜水艦(クジラ)乗り。ふたりの恋の前には、いつも大きな海が横たわる――制服ラブコメ短編集。
『クジラの彼』有川浩著 角川文庫HPより引用
- ジャンル・雰囲気:自衛隊員の恋愛を描いた連作短編集。制服×恋愛という独特の組み合わせで、甘くて切ないラブコメが爽やかに展開されます。
- どんな人におすすめ?:遠距離恋愛に共感できる人、仕事と恋の両立に悩む人、そして“まっすぐな想い”に心を動かされたい人にぴったりです。
- 心に残るポイント:潜水艦乗りの恋人を待ち続けるヒロインの一途な想い。連絡も取れない日々の中で揺るがない気持ちが、静かに胸を打ちます。
- 詳しい感想はこちら:「クジラの彼」感想記事
植物図鑑(有川浩)

よかったら俺を拾ってくれませんか──。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能の植物オタクで、風変わりな同居生活が始まった。とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草”恋愛小説。
『植物図鑑』有川浩著 幻冬舎HPより引用
- ジャンル・雰囲気:甘酸っぱくて優しい恋愛小説。野草や季節の風景が彩る、ほのぼのとした日常と心の交流が描かれます。
- どんな人におすすめ?:癒されたい人、日常の小さな幸せを感じたい人、自然や植物が好きな人にぴったりの一冊です。
- 心に残るポイント:「道ばたの草花も、誰かと一緒に見れば宝物になる」——そんな気づきが、読後にじんわり心に残ります。
- 詳しい感想はこちら:「植物図鑑」感想記事
ストーリー・セラー(有川浩)

妻の病名は、致死性脳劣化症候群。複雑な思考をすればするほど脳が劣化し、やがて死に至る不治の病。生きたければ、作家という仕事を辞めるしかない。医師に宣告された夫は妻に言った。「どんなひどいことになっても俺がいる。だから家に帰ろう」。妻は小説を書かない人生を選べるのか。極限に追い詰められた夫婦を描く、心震えるストーリー。
『ストーリー・セラー』有川浩著 幻冬舎HPより引用
- ジャンル・雰囲気:命と愛、そして創作をめぐる静かな純愛小説。2つの物語が交差する構成で、切なくも深い余韻が残ります。
- どんな人におすすめ?:大切な人との絆を見つめ直したい人、創作や表現に情熱を持っている人、泣けるけれど温かい物語を求めている人に。
- 心に残るポイント:「書くこと」が命を削る行為になっても、愛する人のために物語を紡ぎ続ける——その覚悟と優しさに胸が締めつけられます。
- 詳しい感想はこちら:「ストーリー・セラー」感想記事
レインツリーの国(有川浩)

まだ会ったことのない君に、恋をした――。有川浩が贈る青春恋愛小説。
きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。やりとりを重ねるうち、僕は彼女に会いたいと思うようになっていた。しかし、彼女にはどうしても会えない理由があって――。2015年11月映画公開
『レインツリーの国』有川浩著 角川文庫HPより引用
- ジャンル・雰囲気:ネットを通じてつながる恋愛を描いた、静かで繊細なラブストーリー。障害と向き合う心の葛藤が、優しくもリアルに描かれています。
- どんな人におすすめ?:人との距離感に悩んでいる人、誰かと深く分かり合いたいと思っている人。また、障害やコンプレックスに向き合う勇気を持ちたい人にも。
- 心に残るポイント:「分かり合えないことがある」ことを受け止めながらも、真正面から向き合おうとする姿勢。言葉の力と、沈黙の重みが心に響きます。
- 詳しい感想はこちら:「レインツリーの国」感想記事
人のつながりを感じて泣きたい7冊
阪急電車(有川浩)

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるちょっと気になるあの人だった……。電車に乗った人数分の人生が少しずつ交差し、希望へと変わるほっこり胸キュンの傑作長篇小説。
『阪急電車』有川浩著 幻冬舎HPより引用
- ジャンル・雰囲気:片道15分のローカル線を舞台にした連作短編。日常の中にある小さな奇跡と人とのつながりを、温かく描いたほっこり系ヒューマンドラマです。
- どんな人におすすめ?:人間関係に疲れている人、ちょっと元気がほしい人、通勤・通学の電車時間に癒しを求めている人にぴったりです。
- 心に残るポイント:見知らぬ乗客同士が、ほんの一言や偶然の出会いで人生を動かしていく。誰かの“駅”になれる生き方って素敵だなと思わせてくれる物語です。
- 詳しい感想はこちら:「阪急電車」感想記事
52ヘルツのクジラたち(町田そのこ)

二〇二一年本屋大賞第一位。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年の新たな魂の物語――。
『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ著 中公文庫HPより引用
- ジャンル・雰囲気:社会的なテーマに切り込むヒューマンドラマ。静かな海辺の町を舞台に、孤独と再生を描いた深く優しい物語です。
- どんな人におすすめ?:誰にも届かないような気持ちを抱えている人、過去の傷と向き合いたい人。静かに心に寄り添ってくれる物語を求めている人に。
- 心に残るポイント:「誰にも届かない声でも、誰かがきっと受け止めてくれる」——孤独な魂同士が出会い、少しずつ心を通わせていく姿が胸を打ちます。
- 詳しい感想はこちら:「52ヘルツのクジラたち」感想記事
キッチン(吉本ばなな)

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う──祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ、人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中で、あなたに語りかけ、国境も時もこえて読みつがれるロング・ベストセラー、待望の定本決定版。〈吉本ばなな〉のすべてはここから始まった。
『キッチン』吉本ばなな著 新潮社HPより引用
- ジャンル・雰囲気:喪失と再生を描くヒューマンドラマ。静かで優しい文体が、孤独な心にそっと寄り添ってくれます。
- どんな人におすすめ?:大切な人を失った経験がある人、孤独を感じている人、日常の中に小さな癒しを見つけたい人に。
- 心に残るポイント:「台所のぶーんという音が、私を孤独な思考から守ってくれた」——そんな描写が、日常の何気ない場所にある安らぎを思い出させてくれます。
- 詳しい感想はこちら:「キッチン」感想記事
暗いところで待ち合わせ(乙一)

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった――。書き下ろし小説。
『暗いところで待ち合わせ』乙一著 幻冬舎HPより引用
- ジャンル・雰囲気:静かな緊張感が漂う心理サスペンス。ホラーのようでいて、実は人間の優しさと孤独を描いた繊細なドラマです。
- どんな人におすすめ?:人との距離感に悩んでいる人、静かな物語で心を動かされたい人、派手な展開よりも“心の機微”を味わいたい人に。
- 心に残るポイント:盲目の女性と殺人容疑の男が、互いの存在を“気づかないふり”で受け入れていく不思議な同居生活。沈黙の中で育まれる信頼が、読後にじんわりと胸に残ります。
- 詳しい感想はこちら:「暗いところで待ち合わせ」感想記事
昨夜のカレー、明日のパン(木皿泉)

悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ――。7年前、25歳で死んだ一樹。遺された嫁のテツコと一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフとの何気ない日常に鏤められたコトバが心をうつ連作長篇。
『昨夜のカレー、明日のパン』木皿泉著 河出書房新社HPより引用
- ジャンル・雰囲気:喪失と再生を描く連作ヒューマンドラマ。静かでユーモラスな日常の中に、深い優しさと余韻が漂います。
- どんな人におすすめ?:大切な人を失った経験がある人、日常の中にある小さな幸せを見つけたい人。心が少し疲れているときにもそっと寄り添ってくれる一冊です。
- 心に残るポイント:「悲しいのに、幸せな気持ちにもなれる」——そんな感情が交差する日々を、カレーの匂いやパンの温もりとともに描き出す言葉の力が沁みます。
- 詳しい感想はこちら:「昨夜のカレー、明日のパン」感想記事
希望ヶ丘の人びと(重松清)

私は中学生の娘・美嘉と小学生の息子・亮太とともに、二年前に亡くなった妻のふるさと「希望ヶ丘」に戻ってきた。ここから再出発だ――そう思って開いた塾には生徒が集まらず、亮太は亡き母の思い出を探し続け、美嘉は学校になじめない。昔の妻を知る人びとが住むこのニュータウンに、希望はあるのだろうか?
『希望ヶ丘の人びと』重松清著 講談社HPより引用
- ジャンル・雰囲気:家族の再生と地域とのつながりを描いたヒューマンドラマ。静かな町で起こる心の揺れが、じんわりと沁みる物語です。
- どんな人におすすめ?:家族や仕事に悩みを抱えている人、人生の転機に立っている人。派手さはないけれど、心の奥に優しく届く物語を求めている人に。
- 心に残るポイント:「多様な人がいてもいい」——そんなメッセージが、町の人々との交流を通して自然に伝わってくる。大人になっても、悩みながら前に進む姿に共感が広がります。
- 詳しい感想はこちら:「希望ヶ丘の人びと」感想記事
三匹のおっさん(有川浩)

還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!
腕に覚えありの武闘派2名、機械をいじらせたら無敵の頭脳派1名。かつての悪ガキが結成した自警団が、今日もご町内の悪を斬る!
『三匹のおっさん』有川浩著 文藝春秋HPより引用
- ジャンル・雰囲気:痛快で人情味あふれる現代版・勧善懲悪コメディ。還暦を迎えた“おっさん”たちが、町の悪を成敗する姿が爽快で、笑いと温かさが詰まった物語です。
- どんな人におすすめ?:スカッとする展開が好きな人、元気なおじさんキャラに癒されたい人、家族や地域とのつながりを感じたい人にぴったりです。
- 心に残るポイント:還暦を過ぎても“正義”を貫く姿勢と、幼なじみ3人の絆。悪を懲らしめるだけでなく、背景にある人間ドラマにじんわりと感動が広がります。
- 詳しい感想はこちら:「三匹のおっさん」感想記事
切なさに泣きたい5冊
世界地図の下書き(朝井リョウ)

離れたくない。そう思った。
「青葉おひさまの家」で暮らす子どもたち。
夏祭り、運動会、クリスマス。
そして迎える、大切な人との別れ。
さよならの日に向けて、
4人の小学生が計画した「作戦」とは?『世界地図の下書き』朝井リョウ著 集英社HPより引用
救命センター「カルテの真実」(浜辺祐一)

高齢化する日本。救命救急センターの現場にもその影響は大きい。孤独死、無理心中、老親への家庭内暴力……最先端の医療現場から社会を見据える、リアルなヒューマンドキュメント。
『救命センター「カルテの真実」』浜辺祐一著 集英社HPより引用
- ジャンル・雰囲気:現役救急医による医療エッセイ。救命救急の最前線から見える社会の闇と人間模様を、リアルかつ冷静な筆致で描いています。
- どんな人におすすめ?:医療現場のリアルに触れたい人、社会問題に関心がある人、命の重みや医療の限界について考えたい人に。
- 心に残るポイント:「助けた命が、必ずしも幸せをもたらすとは限らない」——救命と終末期医療のジレンマに向き合う医師の葛藤が、静かに胸を打ちます。
- 詳しい感想はこちら:「救命センター『カルテの真実』」感想記事
祈りのカルテ(知念実希人)

5つの感動がここに。連作医療ミステリ!
諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正会医科大学附属病院の研修医。初期臨床研修で、内科、外科、小児科など、様々な科を回っている。
ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。その腕には、別れた夫の名前が火傷(やけど)で刻まれていた。
離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているというが、諏訪野は女性の態度と行動に違和感を覚える。
彼女はなぜか、毎月5日に退院できるよう入院していたのだ――(「彼女が瞳を閉じる理由」)。初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、循環器内科に入院した我が儘な女優など、驚くほど個性に満ちた5人の患者たちの謎を、新米医師、諏訪野良太はどう解き明かすのか。
「彼」は、人の心を聴ける医師。心震える連作医療ミステリ!
『祈りのカルテ』知念実希人著 角川文庫HPより引用
- ジャンル・雰囲気:医療ミステリー×ヒューマンドラマ。研修医が患者の“心のカルテ”を読み解く、優しさと謎が交差する短編集です。
- どんな人におすすめ?:医療ドラマが好きな人、人の心に寄り添う物語を求めている人。短編でテンポよく読めるので、読書初心者にもおすすめです。
- 心に残るポイント:病院はただの治療の場ではなく、人の人生が交差する場所——そんな気づきが、静かに胸に染みる読後感を残してくれます。
- 詳しい感想はこちら:「祈りのカルテ」感想記事
優しい死神の飼い方(知念実希人)

犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷……もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間 を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた――。天然キャラの死神の奮闘と人間との交 流に、心温まるハートフルミステリー。
『優しい死神の飼い方』知念実希人著 光文社HPより引用
- ジャンル・雰囲気:死神がゴールデンレトリバーの姿で人間界に降り立つ、心温まる医療×ミステリー。ホスピスを舞台に、優しさと切なさが交差する物語です。
- どんな人におすすめ?:命や別れに向き合う物語に癒されたい人、ペットや動物が登場する感動ストーリーが好きな人。重すぎず、でも深く心に届く一冊を探している人に。
- 心に残るポイント:死神なのに天然で優しい「レオ」の存在が、患者たちの未練をそっとほどいていく。命の終わりに寄り添う姿に、涙と希望がじんわりと広がります。
- 詳しい感想はこちら:「優しい死神の飼い方」感想記事
パラレルワールド・ラブストーリー(東野圭吾)

親友の恋人は、かつて自分が一目惚れした女性だった。嫉妬に苦しむ敦賀崇史。ところがある日の朝、目を覚ますと、彼女は自分の恋人として隣にいた。混乱する崇史。どちらが現実なのか? ――存在する二つの「世界」と、消えない二つの「記憶」。交わることのない世界の中で、恋と友情は翻弄されていく。
『パラレルワールド・ラブストーリー』東野圭吾著 講談社HPより引用
- ジャンル・雰囲気:SF×恋愛×ミステリーが融合した心理サスペンス。記憶と現実が交錯する世界で、切なさと緊張感が同時に押し寄せる物語です。
- どんな人におすすめ?:「もしも別の選択をしていたら…」と考えたことがある人。恋愛と友情の間で揺れる感情に共感したい人、記憶や脳科学に興味がある人にも。
- 心に残るポイント:目覚めたら、彼女が“親友の恋人”になっていた——。現実と記憶のズレに翻弄されながらも、真実を探し続ける主人公の姿が、読後に深い余韻を残します。
- 詳しい感想はこちら:「パラレルワールド・ラブストーリー」感想記事
一生懸命さを感じて泣きたい4冊
クライマーズ・ハイ(横山秀夫)

85年、御巣鷹山の日航機事故で運命を翻弄された地元新聞記者らの濃密な一週間。会社や親子など人間関係を鋭く描いた新境地作品
『クライマーズ・ハイ』横山秀夫著 文藝春秋HPより引用
- ジャンル・雰囲気:実在の航空事故を背景にした社会派ヒューマンドラマ。報道の現場と人間の葛藤を描く、緊迫感と重厚さに満ちた物語です。
- どんな人におすすめ?:組織と個人の間で揺れる働き方に悩んでいる人、報道やメディアの裏側に興味がある人。極限状態での人間の本質を知りたい人にも。
- 心に残るポイント:「下りるために登るんさ」という言葉に象徴される、主人公の葛藤と覚悟。報道の使命と命の重みが交差する瞬間に、深い問いが残ります。
- 詳しい感想はこちら:「クライマーズ・ハイ」感想記事
県庁おもてなし課(有川浩)

ふるさとに恋する観光小説!
とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員・掛水は、地方振興企画の手始めに、人気作家に観光特使を依頼するが、しかし……!? お役所仕事と民間感覚の狭間で揺れる掛水の奮闘が始まった!
『県庁おもてなし課』有川浩著 角川文庫HPより引用
- ジャンル・雰囲気:地方行政×観光×恋愛が融合した“お仕事青春小説”。高知県を舞台に、爽やかで前向きな空気感が広がる物語です。
- どんな人におすすめ?:地方創生や地域活性化に興味がある人、公務員や行政の仕事に関心がある人。また、仕事にやりがいを見つけたい人や、甘酸っぱい恋愛も楽しみたい人にぴったりです。
- 心に残るポイント:「民間感覚を取り入れることで、役所も変われる」——若手職員たちが壁にぶつかりながらも成長していく姿が、読者に勇気と希望を与えてくれます。土佐弁で交わされる告白や、地域の魅力を再発見する描写も印象的です。
- 詳しい感想はこちら:「県庁おもてなし課」感想記事
キネマの神様(原田マハ)

この奇跡の物語を、あなたは読み逃していませんか?
この世に映画がある限り、人々は映画館へ出かけていくだろう。家族と、友人と、恋人と…。壊れかけた家族を映画が救う、感動の物語
『キネマの神様』原田マハ著 文藝春秋HPより引用
- ジャンル・雰囲気:映画と家族の再生を描くヒューマンドラマ。昭和の映画館の空気感と、人生の“再上映”を思わせる優しくて切ない物語です。
- どんな人におすすめ?:映画が好きな人、家族との関係に悩んでいる人、人生にもう一度希望を灯したいと思っている人に。読書初心者にも読みやすい文体です。
- 心に残るポイント:「人生にも再上映があったなら」——破れかけた父と娘の絆が、映画を通して少しずつ修復されていく。スクリーンの前で、自分の人生を見つめ直したくなるような読後感が残ります。
- 詳しい感想はこちら:「キネマの神様」感想記事
フロントライン(増本淳)

――事実に基づく物語――
2020年2月、
新型コロナウイルスの感染者を乗せた船が、横浜に入港した。
乗員・乗客およそ3700人。
未知のウイルスとともに、逃げ場のない海の上の豪華客船に閉じ込められ、
感染は瞬く間に広がっていく。
「今、船内にいる医師はわずか3人。
ウイルス対応がDMATの専門外であることは承知しています。
でも、日本国内にウイルスを持ち込まないためには、
誰かに船に乗っていただくしかないんです」
災害派遣医療チームDMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、
厚労省の要請を受け、ダイヤモンド・プリンセス号へと乗り込んだ。
乗客の命と、日本の安全を守るために――。
しかしマスコミは、彼らの懸命な救助活動を、
「ずさんな対応」「乗客を閉じ込めるのは人権侵害」と報道し、
DMATは激しいバッシングにさらされる。
それでも彼らは反論することなく、ひたすら救助活動に徹した。
「反論している時間なんてない。
命のために、やれることは全部やる。それがDMATだ」
これは、今までメディアで報じられることのなかった、
未知のウイルスに<最前線(フロントライン)>で挑んだ者たちの、
知られざる物語。
あの時、ダイヤモンド・プリンセス号の中で、
本当は何が起こっていたのか――?『フロントライン』増本淳著 サンマーク出版HPより引用
- ジャンル・雰囲気:新型コロナウイルスの集団感染を題材にした、事実に基づく医療ヒューマンドラマ。緊迫感と使命感が交錯する、社会派フィクションです。
- どんな人におすすめ?:医療従事者や医療を志す人、パンデミックの現場を知りたい人。また、社会の在り方や「正義とは何か」を考えたい人にも。
- 心に残るポイント:未知のウイルスに立ち向かう医療チームの姿が、「命を救うとはどういうことか」を静かに問いかけてくる。誰もが“あの時”の記憶と向き合える一冊です。
- 詳しい感想はこちら:「フロントライン」感想記事
家族の絆を感じて泣きたい3冊
55歳からのハローライフ(村上龍)

離婚したものの、経済的困難から結婚相談所で男たちに出会う女……。みんな溜め息をついて生きている。人生をやり直したい人々に寄り添う「再出発」の物語。感動を巻き起こしたベストセラー!
『55歳からのハローライフ』村上龍著 幻冬舎HPより引用
- ジャンル・雰囲気:人生の再出発を描く連作ヒューマンドラマ。静かでリアルな語り口が、中高年の心にそっと寄り添います。
- どんな人におすすめ?:定年後の生き方に悩んでいる人、孤独や再婚、老後の不安を感じている人。人生をもう一度見つめ直したいすべての世代に。
- 心に残るポイント:「人生は何度でもやり直せる」——失意や孤独の中でも、前を向こうとする主人公たちの姿が、静かな勇気と希望を与えてくれます。
- 詳しい感想はこちら:「55歳からのハローライフ」感想記事
そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ)

本屋大賞受賞の話題作!身近な人が愛おしくなる
家族よりも大切な家族
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ著 文藝春秋HPより引用
- ジャンル・雰囲気:血縁を超えた“家族”の絆を描くヒューマンドラマ。優しさと温もりに満ちた語り口で、静かに心を揺さぶる感動作です。
- どんな人におすすめ?:家族の形に悩んだことがある人、誰かに優しさを渡したいと思ったことがある人。静かに泣ける物語を求めている人にもぴったりです。
- 心に残るポイント:「家族よりも大切な家族」という言葉が示すように、血のつながりではなく“想い”でつながる人間関係の尊さが、読後に温かな余韻を残します。
- 詳しい感想はこちら:「そして、バトンは渡された」感想記事
朝が来る(辻村深月)

作家デビュー十年で新境地となった、出産を巡る問題作
長く辛い不妊治療の末、自分たちの子を産めずに特別養子縁組という手段を選んだ夫婦。
中学生で妊娠し、断腸の思いで子供を手放すことになった幼い母。
それぞれの葛藤、人生を丹念に描いた、胸に迫る長編。
第147回直木賞、第15回本屋大賞の受賞作家が到達した新境地。『朝が来る』辻村深月著 文藝春秋HPより引用
- ジャンル・雰囲気:静かな衝撃が心に残る社会派ミステリー。家族の絆と過去の秘密が交差する、繊細で深いヒューマンドラマです。
- どんな人におすすめ?:血のつながりだけが家族じゃないと思う人、親になることに不安や疑問を感じたことがある人。感情に寄り添う物語を求める読書初心者にもおすすめです。
- 心に残るポイント:「子どもを返してほしい」という一本の電話が、平穏な日常を揺るがす——その瞬間から始まる“もうひとつの物語”。親であるとは何か、家族とは何かを静かに問いかけてくる余韻が深く残ります。
- 詳しい感想はこちら:「朝が来る」感想記事
友情を感じて泣きたい2冊
キケン(有川浩)

「キケン」な理系男子たちの 事件だらけ&爆発的熱量の青春の日々
成南電気工科大学の「機械制御研究部」は犯罪スレスレの実験や破壊的行為から略称「機研(キケン)」=危険とおそれられていた。本書は「キケン」な理系男子たちの事件だらけ&爆発的熱量の青春物語である!
『キケン』有川浩著 角川文庫HPより引用
- ジャンル・雰囲気:理系男子たちの破天荒な日常を描く青春エンタメ小説。笑いと熱量が炸裂する、痛快でちょっぴり切ない回想形式の物語です。
- どんな人におすすめ?:学生時代のバカ騒ぎに懐かしさを感じる人、理系文化や男子ノリが好きな人。何かに全力で取り組んだ経験がある人には特に刺さります。
- 心に残るポイント:「無意味なことに本気で向き合う」——そんな青春の輝きが、笑いの中にじんわりと染みる。大人になった主人公の回想が、過去の自分と向き合うきっかけをくれます。
- 詳しい感想はこちら:「キケン」感想記事
さすらい猫ノアの伝説(重松清)

ノアありがとう。そして、さよなら。
ある日突然、やってきた黒猫。名前はノアというらしい。
なにげない日々のなか、ノアが心に届けてくれる「宝物」。算数の授業中、一瞬の早技で教室に飛び込んできた黒い猫。首に巻かれた風呂敷の中には、「あなたのクラスはノアに選ばれました!」という手紙が。自由気ままなさすらい猫が、ちょっと困っている子どもたち、悩んでいる大人たちに思いださせてくれる大切なこととは。不思議な猫が巻き起こす小さな奇跡の物語。
『さすらい猫ノアの伝説』重松清著 講談社HPより引用
- ジャンル・雰囲気:児童文学×ファンタジー×ヒューマンドラマ。風呂敷を巻いた黒猫ノアが、小学校に現れて“忘れてしまった大切なこと”をそっと思い出させてくれる、優しくて少し不思議な物語です。
- どんな人におすすめ?:子ども時代の記憶に触れたい人、心がちょっと疲れている人。人間関係や居場所に悩んでいる人にも、静かに寄り添ってくれる一冊です。
- 心に残るポイント:ノアは何も語らず、ただそこにいるだけで、子どもたちが自分の力で考え、動き出すきっかけをくれる。「元気ハツラツ、勇気リンリン、根気コツコツ」という合言葉が、読者の背中もそっと押してくれます。
- 詳しい感想はこちら:「さすらい猫ノアの伝説」感想記事