2025-08

心が動いた本

よしもとばなな『キッチン』感想と魅力を解説|台所という空間を通じて喪失と再生を描く名作

よしもとばななの代表作『キッチン』は、喪失の痛みと人とのつながりを、静かで優しい筆致で描いた心に残る一冊。台所という空間を通して、主人公の再生の物語がそっと語られます。今回はその魅力をたっぷり紹介します。書籍の基本情報著者:よしもとばなな出...
ミステリー

乃南アサ『岬にて』感想文|日常に潜む心の闇を描いた女性の心理描写の名手による14の短編集

乃南アサさんの短編集『岬にて』は、旅先の風景や日常の中に潜む“心の闇”を描いた14編の傑作選です。中でも「ママは何でも知っている」は、家庭という安心のはずの場所が、じわじわと不穏に変わっていく恐ろしさが際立つ一編。静かな語り口なのに、読後に...
心が動いた本

有川浩『阪急電車』映画原作小説感想文|何度も読み返したくなる偶然が人生を動かす心温まる連作短編

『阪急電車』は、兵庫県の阪急今津線を舞台にした連作短編小説。電車に乗り合わせた人々の人生が、ほんの少し交差することで生まれる奇跡や気づきが描かれています。日常の中にある優しさや勇気が、読者の心をそっと温めてくれる一冊です。書籍の基本情報著者...
ミステリー

湊かなえ『白ゆき姫殺人事件』感想文|誰を信じればいいかわからなくなるSNSの闇に潜む真実

「噂は真実を飲み込む」――そんな言葉がぴったりな一冊。湊かなえの『白ゆき姫殺人事件』は、殺人事件の真相を追うミステリーでありながら、現代社会の情報の怖さを鋭く描いた作品。読者は証言と報道、SNSの投稿を通して事件を追いかけるけれど、果たして...
ミステリー

小川哲『君のクイズ』感想文|不思議な読後感を味わえる|知的好奇心を刺激するクイズ×ミステリー小説

『君のクイズ』は、クイズ番組を舞台にした異色のミステリー。問題文が読まれる前に正解するという衝撃の展開から始まり、記憶・思考・知識の本質に迫る知的でエモーショナルな物語です。書籍の基本情報著者:小川哲出版社:朝日新聞出版出版年:2022年ペ...
ミステリー

伊坂幸太郎『ホワイトラビット』感想文|人気キャラクターが活躍!伏線回収が爽快なユーモア系ミステリー

『ホワイトラビット』は、伊坂幸太郎らしいユーモアと緻密な構成が光るミステリー。誘拐事件を軸に、複数の視点と時系列が絡み合い、最後には見事な伏線回収で読者を驚かせます。書籍の基本情報著者:伊坂幸太郎出版社:新潮社出版年:2020年ページ数:3...
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原田マハ『あなたは、誰かの大切な人』感想文|孤独に寄り添う6つの優しい物語-2026年映画化予定

原田マハの短編集『あなたは、誰かの大切な人』は、孤独や不安を抱えながらも、日常の中で小さな幸福を見つけていく女性たちの物語。静かで優しい言葉が、読者の心にそっと寄り添います。2026年に著者の原田マハさん監督で短編の一つ「無用の人」が映画化...
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凪良ゆう『汝、星のごとく』感想文|2026年映画公開予定!‐自由と愛を求めた15年の物語【Audibleあり】

本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』は、凪良ゆうが紡ぐ愛と葛藤の物語です。瀬戸内の島で生まれた主人公たちが、自身の限界と向き合いながら人生を選び取っていく姿を描き、読者を深く揺さぶります。2026年に映画公開されることが発表されたばかり。映画を...
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辻村深月『凍りのくじら』読書感想文|ドラえもんへの愛と心理描写が光る成長物語の魅力【Audibleあり】

辻村深月の『凍りのくじら』は、現実と心の闇に向き合う高校生の成長物語。藤子・F・不二雄の世界観を背景に、主人公の葛藤と絆が鮮やかに描かれた感動作です。書籍の基本情報著者:辻村深月出版社:講談社出版年:2008年ページ数:576ページ映像化:...
ミステリー

東野圭吾『虚ろな十字架』小説感想文|罪と償いについて考えさせられる社会派ミステリー

東野圭吾の『虚ろな十字架』は、死刑制度や真の償いとは何かを鋭く描いた社会派ミステリーです。人間の感情や罪と向き合う深みのあるテーマが心を揺さぶる本作は、読者に新たな視点をもたらします。書籍の基本情報著者:東野圭吾出版社:光文社出版年:201...